プロバイオティックス

paw4.gif (869 bytes)お腹元気が一番!

プロバイオティックスって、一体何だ?

腸の中には、100種類ぐらいの菌が住みついているという。その中には、悪い奴(大腸菌など)もいれば、良い奴(乳酸菌、ビフィズス菌など)がいる。良い菌は、食べたものの脂肪や蛋白質の分解を助け、ビタミンやミネラルの吸収を助ける。腸のぜん動運動を促して、便秘を防ぐ。また、免疫機能を高めるのに役立ち、腸内を弱酸性に保って悪い菌がはびこるのを防いでくれる。

この良い菌が元気にお腹の中で働いてくれるおかげで、私たちやワンコが健康でいられるのだ。こうした良い菌のことを総称して、プロバイオティックスと呼ぶ。こうした菌は、身の回りの食べ物にも含まれている。ヨーグルトや、ぬか漬け・サワークラウトなどの発酵食品に豊富だ。そうしたものを食べることで、腸内の良い菌人口を増やすことができる。

しかし、こうした食品に含まれるプロバイオティックスは体力が「並」で、健康な時はいいが一度強力な有害菌がお腹を占領したりすると負けてしまったり、あまり役に立たずにお腹を素通りしてしまうことがある。そんな場合、もっと強気で、悪い奴をビシバシやっつけてくれる菌が必要だ。一般に「プロバイオティックス」として市販されているものは、こうした強力な菌を含んだものである。

paw4.gif (869 bytes)プロバイオティックスいろいろ

NEOREASE
TABIが獣医さんからいただいたものは、家畜にも良く使われるという Neorease。ピンク色の飲むヨーグルトといったかんじだ。ビンからスポイトにとり、一定量を犬になめさせる。処方薬なのでたぶん病院でしか入手できないと思う。

BIO-K
カナダで一般に手に入るのは、Bio-K。自然食品店の冷蔵ケースで販売されている。人間用だが、もちろん犬にも使える。一日小さじ一杯くらいを食餌とともに与える。薄めのヨーグルトといったかんじだ。アシドフィルス菌とカゼイ菌が含まれている。

原料は牛乳だが、牛乳アレルギーの人や犬でもほとんどの場合問題なくとることができる。なぜかというと、一般に「牛乳アレルギー」といわれているものの中に乳糖不耐症があるが、これは牛乳の中の乳糖を分解する酵素が体内にないため、牛乳をとると下痢などの症状を起こすものだ。Bio-Kは、微生物により乳糖が完全に分解されているため、そうしたトラブルを引き起こすことがないという。

FASTRACK
スポーツドッグに人気が高い、Fastrack。アメリカの会社。ジェル状のプロバイオティックスがスポイトに入っていて、犬の口に入れてちゅっと押し出すだけでいいので、便利だと思う。

以上は全て液状の製品だが、他にも粉末やカプセル入り顆粒のアシドフィルス菌類が整腸剤として薬局で手に入る。ちょっとしたお腹の不調には、そうしたもので間に合うかもしれない。だが、即効を期待するなら、やはり生製品が一番だと思う。

日本でも、乳酸飲料の会社などから様々なプロバイオティックス製品が出ているようだ。

paw4.gif (869 bytes)なぜ必要?プロバイオティックス

サプリメントに否定的なTABIママが、プロバイオティックスだけは必要だと考えるのは、以下の理由だ。

初めに書いたように、人間や犬のお腹にはもともとこうした菌が住んでおり、大事な役割を持っている。赤ん坊は、母乳を通してこうした良い菌をお腹にとりこむ。同様に、子犬も母犬から大事な菌をもらう。さらに、子犬が固いものを食べられるようになるまで、母犬は自分が食べたものを吐き出して食べさせる。半消化された食べ物には、プロバイオティックスや消化酵素が豊富に含まれている。こうしたものを食べることで、子犬の丈夫な消化管が育っていく。

成長した子犬は、自分で狩りをして小動物を捕まえ、食べる。その時、獲物の内臓も食べる。獲物の消化管には、やはり半消化された食べ物と同時にプロバイオティックスや消化酵素が豊富に含まれている。これが、犬の消化・吸収を助ける。

また、牧場で飼われている犬は、そのへんにころがっている馬・羊・牛など草食動物のフンを好んで食べる。こうしたフンには、草の繊維とともにプロバイオティックスや消化酵素が豊富に含まれており、犬の胃腸を健康に保つのに必要なものが揃っていることを、犬は知っているからだという。(ただし、家畜に駆虫剤を与えている場合はそのフンに薬の成分が混じっており、それを食べた犬が中毒をおこし死亡することがある。とくに、コリー系は家畜の駆虫剤に弱いそうなので注意)

普通の家庭でペットとして飼われている犬は、こうして自然にプロバイオティックスや消化酵素を摂りいれる機会がない。ドライフードだけを食べている子はとくにそうだ。だから、ときどき補助的にプロバイオティックスを与えてやることが大事だと思う。

TABIは子犬のときからいろんなものを食べてきたが、始めの半年くらいは毎食欠かさずヨーグルトなどの発酵食品を食べさせていた。母犬のように私が食べたものを吐き出して与えるわけにいかないので(笑)、その代用だ。そのせいか、いままで本当に丈夫に育ってきた。

ここで一言付け加えると、お腹が丈夫ということは、何も「吐いたり下痢したりを全く経験しない」ということではない。何か悪いものを食べたとき、すぐに吐いたり、下痢したりして体から悪いものを出すことは、全く自然な体の反応だ。逆にそれができなかったら、毒素が体にまわって死んでしまう。集団食中毒でみんなが倒れているとき、一人だけピンピンしている人というのはたいがい、「食べてすぐ全部もどしてしまった」というような人だ。悪いものを受けつけない、丈夫な体の持ち主なのだ。

犬の下痢や嘔吐で心配なのは、ぐったりして動かなかったり、フンフン泣いて苦しそうな時、そして不調が何日も続き改善しない場合である。吐いてもケロッとして遊んでるようなのは、そして半日か一日で治ってしまうのは胃腸が丈夫な証拠だ。

paw4.gif (869 bytes)抗生物質は善玉菌の敵

さらに、抗生物質の投与を受けている場合にも、プロバイオティックスは必要だ。

最近カナダでは、人間の医者も獣医も、やたらと抗生物質を使うことをいましむ傾向にある。かつて奇跡の薬と言われた抗生物質だが、耐性菌の激増を招く結果になった。また腸内の善玉菌も悪玉菌も区別せず殺してしまうため、かえって体調が悪くなるケースが多いからだ。今では風邪ぐらいでは抗生物質を処方してくれないし、逆にホイホイ抗生物質を出すような医者はヤブだ。

それでも外科手術などで抗生物質を使わざるをえない場合はある。そこで、抗生物質を使うときはプロバイオティックスも並行して使い、腸内菌のバランスを保つ工夫をしている医者や ホリスティック獣医が多い。

メーカーは「毎日プロバイオティックスを摂ろう!」と宣伝しているが、とくべつお腹が弱い子や急な病気・怪我などをのぞき、そこまでしなくてもいいように思う。普段はヨーグルトなどの食品をおいしく食べて摂取し、たまに強化したプロバイオティックスを補助的に摂取すれば充分なのではないか。

少なくともTABIはそんな調子で元気一杯だ。

(2003年4月12日)

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