TABI ベテラン・アジリティ犬
雑種犬
1999年11月26日生まれ、♂、去勢済み
飼い主:TABIママとTABIパパ

チャンピオンシップ

Photo: Maui Sports Photos
2012年CPEアジリティ・チャンピオンシップ

paw1.gif (869 bytes)ポケモン犬

わんパルで長寿村を始めてから、いつかはTABIが村民になる日を夢見ていた。今年14歳になったのに、会う人ごとに「まだ子犬かと思った!元気いっぱいで、そんなトシに見えないねえ」と言われ 、かかりつけの獣医さんにも「誕生日を知らなかったら、7歳くらいにしか見えないわね。とても年齢が二ケタとは思えない」と感心されるTABI。晴れて長寿村の村民として登場である。

母犬は、TABIパパの部下の飼い犬。子犬をいただいたお礼に、当時流行っていたポケモンのカードを子供達へあげた。それで、名前を「ポケモン」にしようかとも思ったが、足先が白いので「足袋」と呼ぶことにした。今では、ポケモンにしなくて良かったと思う(笑)。当初はやんちゃな子犬との暮らしは大変だったが、子犬にとってもそれなりに苦労があったんじゃないだろうか。それでも 健康で素直な明るい子にスクスク育ってくれて、本当にありがたいことだと思っている。

よく「子供は夫婦のかすがい」と言われる。我が家は結婚しても子供を作らないと決めたので子供はいないが、TABIが来てからというもの、この子が私達夫婦の中にある母性と父性を目覚めさせたような気がする。小さな命を育てることは、人間として一緒に成長することを促すのかもしれない。この子のことで夫婦喧嘩したことが何度もあった(教育問題とか...笑)し、だいたい結婚以来私達は喧嘩が絶えない。でも、言い争いの最中にふと気づくとTABIが隅っこのほうで小さく丸まって、悲しそうな目をしている。「喧嘩は止めてよ。仲良くしてよ」と言っているようでかわいそうなので、二人とも停戦することに渋々ながら合意するしかない。この子がいるから離婚はまぬがれたと、私はハッキリ証言できる(爆笑)。犬だって夫婦のかすがいになると思う。

paw1.gif (869 bytes)アジリティ三冠王

アジリティ仲間のALLEYには及ばないものの、TABIはパパのアメリカ転勤時代に2つのアメリカン・チャンピオンタイトル(NATCH, A-ATCH)を獲得。さらにカナダ帰国後にカナダのチャンピオン・タイトル(ATChC)を獲得し、米加両国のタイトル保持者Can-Amチャンピオンとなった。10年におよぶ競技生活の中で、20 05年に地区大会で優勝、カナダのチャンピオンシップに3回、アメリカのチャンピオンシップに5回出場。アメリカやカナダの東から西まで旅をして、たくさんの犬友達を作った。この子がいなかったら、そしてアジリティを始めなかったら、私達夫婦はこんなにもあちこち旅行するチャンスはなかったろうし、多くの犬友達にも出会えなかったろうと思う。

チャンピオンシップ
Photo: Alpensky Photography
2012年CPEアジリティ・チャンピオンシップ
競技生活最後のフィニッシュライン。TABI、お疲れさま!

ドッグスポーツにつきものなのが車での移動と旅行だが、私がいつもラッキーだと思うのはTABIがどこへでも安心して連れてゆける犬だという点である。車酔いしないので、長時間のドライブでも途中にトイレ休憩を入れれば全く平気。人間にも犬にもフレンドリーで、とくに子供が大好きなので「わんちゃんに触ってもいい?」と聞かれても何の心配もなく子供と遊ばせてやれる。旅先で会った他の犬連れと一緒に、ビーチで遊んだことも数々。リードを放しても、脱走してどこかへトンズラする心配がない。お行儀がいいので、ホテルでもパティオのあるレストランでも、お客や従業員からいつもかわいがってもらえる。この子のおかげで、楽しい旅の思い出が本当にたくさんできた。

paw1.gif (869 bytes)天職はセラピー

アジリティ以外では、アニマル・セラピー活動に参加している。

アメリカ時代にアメリカン・ケネルクラブのCGCテストに合格。当時所属していた地元の犬クラブのセラピードッグのグループに入れてもらえた。グループは、老人ホームの他に孤児院、米軍基地、地元の図書館など様々な施設を訪問し、お年寄りや子供達に犬とのふれあいを通して心の癒しを提供するアニマル・セラピー活動を行っていた。人間大好きなTABIにとって、この活動は天職と言える。また私達ハンドラーにとっても、活動を通していろいろな人々に会い、貴重な経験をさせてもらえた。

カナダに帰国後も、地元のアニマル・セラピーのグループに参加して癒しの活動を続けている。

セラピードッグ
ハロウィーンのコスチュームで老人ホームを訪問

また、TABIは10歳でラリー・オビディエンスを始めた。アジリティに比べるとラリーは体力の消耗やストレスが少なく、リラックスして楽しめるスポーツ。それでいて訓練そのものが頭の体操になるので、TABIの老後に最適だと前々から考えていたのだ。フレンドリーで何でもすぐに覚えるTABIは先生方にかわいがられ、始めた年に初めての競技会でノーヴィス Cum Laude、翌年にはオープン Magna Cum Laudeを取得。その後は家庭の事情で2年のブランクを開けてしまったが、13歳の秋に再びラリー競技に復活、昔取った杵柄で若い犬たちに混じってラリーを楽しんでいる。

ラリー
2013年のラリー競技会

老犬と呼ばれる年になっても、TABIは子犬のころと変わらない好奇心を持ち、なんでも新しいことにチャレンジする意欲が強い。なんにもしないで休ませておくと、かえってブータレるくらいだ。人間でも、定年で第一線を退いてもまだまだ活力が余っていていろいろ趣味を見つけては人生を楽しんでいる人がたくさんいる。年齢だけを見て、隠居生活を強制するのはかえって気の毒だと思う。

といっても、加齢による体力の低下は仕方ないことで、無理なことはできない。そこで私達が始めたのが、トラッキングである。鋭い嗅覚を生かして獲物を探す犬の習性を生かしたこのスポーツは、犬種や犬の年齢にかかわらず楽しめる。体に無理がかからず、それでいて犬の好奇心を刺激し脳力を使うので、老犬のボケ防止(笑)にもってこいだし、いい運動になる。TABIはそれほど嗅覚が鋭敏ではないのでどうかと思ったが、やってみると意外に本犬はバッチリ気に入ったらしく、何も教えなくてもどんどんトラッキングしてゆく。基本的にオヤツとリードがあればどこでも遊べるゲームなので、お金はかからない。なんといっても、朝露を踏みながら草原で愛犬と過ごすこと自体が飼い主にとっても健康的だし、楽しい。シニア犬の飼い主さんに、是非おすすめしたいスポーツである。


初めてのトラッキング(2013年11月)

最近になって軽い気管虚脱と診断された他にはとくに病気らしい病気もせず、今でも私達と一緒に海で泳ぎ森を散歩し、あちこち旅行へ出かけては行く先々で笑顔をふりまいているTABI。これからも末永く、私達夫婦と人生の旅を続けてゆきたいと思っている。

20131127日 掲載)

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