レトリバー

paw1.gif (869 bytes)レトリバー

blaze
BLAZE、ダックトーラー

レトリバーとは、Retrieve (持って来る)をするもの、という意味である。
ラブラドール、ゴールデン、フラットコート、ダックト―ラー、カーリーコート、などの鳥猟犬だ。

何世紀にもわたってハンターの良き相棒を務めてきた彼らは、今その多くが普通の家庭犬として飼われている事情にもかかわらず、体に流れるレトリバーの血は濃い。
みんな生まれながらの河童で、教えなくても水があれば泳ぎ出す。
ボールでもダンベルでも、遠くへ投げてやると走って追い、持って帰ってくるのをあきずに続ける。
そして、たいへん活発で疲れを知らない。

カナダでは、普通のペットとしてでなく猟犬として飼われているレトリバーが結構いる。狩猟が趣味の人が多いからだ。写真のBLAZEのように、川や湖で飼い主と一緒にRetrieveの練習をしている猟犬を、よく見る機会がある。
BLAZEは幸せだ。猟犬として働いて本能を発揮する機会を与えられ、しかも大好きなご主人さまに喜んでもらえるのだもの。

もちろん無職のレトリバーだって多いし、彼らは彼らでかわいがってもらって幸せだ。
ただ何しろエネルギーが余っているので、充分な運動の機会を飼い主がつくってあげなければいけない。朝晩の短時間の散歩だけでは足りない。
彼らの飼い主を見るとほとんどが体育会系家族だが、それも納得がいく。

paw1.gif (869 bytes)ラブとゴールデン

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MIRA 黒ラブ

カナダが生まれ故郷ということで、ラブラドールの数はとても多い。
また、ゴールデンもアメリカ国内と同様人気だ。

この2犬種の魅力は、なんといってもその人懐こさだろう。愛想の悪いラブやゴールデンにはお目にかかったことがない。体は大きくても、中身は無邪気な子供のように天真爛漫なのだ。
犬同士も仲良くて、公園などではラブ系・ゴールデン系は瞬間的に「みんな友達」になってしまうらしく、何頭も一緒になって遊んでいる。TABIも、ボーダーの皮をかぶったラブなので、混じって遊んでいるクチだ。

なぜ彼らがこんなにフレンドリーなのかについて、どこかでちらっと聞いた話がある。

概して熊など大型獣を狩る犬は、飼い主には忠実だが他人やよその犬は寄せ付けない性質を持っている。そしてそれは、彼らの狩猟形態に起因するという。
大型獣を狩りにいくには、飼い主の元を離れて山の中を単独行動しなければならない。
たった一頭で、自分の倍以上ある獣を追い、飼い主に最後の留めの役をさせるべく、命がけで挑むのである。気が強くなければ生きていけない。
みんな仲良くしましょう、なんてヤワな根性では、獣に一蹴りされて一巻の終わりだ。
そして、相手を威嚇するために大きな声で始終吠える犬になったというのである。

それに対し鳥猟は、チームワークだ。
ハンターや仲間の犬が周りにいるところで仕事をする。
猟の形態にしても、自分で鳥を殺しにいくのではなく(空飛んでいけないもんね)、ハンターに撃たれて落ちた鳥の回収作業だ。
こういう場所では、一匹狼的で協調性のない犬は「困ったちゃん」である。必然的にフレンドリーな犬が選択され、生き残った。
また、カモフラージュして隠れているハンターのそばでギャンギャン吠えたら、獲物が逃げてしまう。やたらに吠えない、静かな犬が好まれたのは必然だ。

この話の信憑性がどれほどかは知らないが、なるほどとうなずかせる説得力があると思う。

paw1.gif (869 bytes)介護犬

ラブやゴールデンはまた、盲導犬などの介護犬として働いていることでも知られる。

丈夫で働き者であること、人間が大好きなこと、物覚えが良いことに加え、車椅子を押すような力仕事もできる体格の良さが、介護犬としての条件にぴったりだからだ。

街でもよくそんな仕事中の彼らを見かける。
バスなどの公共機関や市役所、マーケットなどで、ご主人さまにひっそりと寄り添っている犬は、とても静かで利口そうだ。普通のペットのラブやゴールデンを知る当方から見ると、
「どうしてあんなにおとなしいんだろう?どこか具合でも悪いのか?」
といぶかってしまうほどだ。

だが、これは彼らが勤務中だからだ。
じっとしているように見えるが、彼らは全神経を飼い主に集中している。
また、「待つ」ということ事態が仕事である。次のコマンドが出次第すぐ動けるよう、待機している状態なのだ。

だから、街で出会う彼らにやたら話しかけたり、触ったりしてはいけないのだそうだ。訓練されている彼らとて、知らない人物が近づけば注意が散漫になる。

また、こうした介護犬を見て、
「うちにもあんな犬が欲しい」
と子犬を買いに走るのは、ちょっと早トチリ。
彼らは、ラブやゴールデンの中でも介護向きとして選ばれた者たち。さらに厳しい訓練を経ている。訓練を途中で落伍せずめでたく介護犬として就職しても、「不適格」と判断されてクビになる犬もいるのだ。現役介護犬は、エリート中のエリートである。
愛犬を子犬からこうした犬に育てたいなら、飼い主自らがたくさんいる子犬の中から素質ある子を見ぬく目を養い、時間と努力を惜しまずその子を訓練する覚悟がいる。

あるいは、介護犬を引退した犬をペットとして引き取るという手もある。
訓練途中でやめてしまった犬や、働きに出たけどどうも介護が性に合わなかった犬、また老齢のため引退した犬などが、あちこちの家庭に引き取られて幸せな第二の犬生をおくっている。
こうした犬なら、すでに基礎的な躾ができているので、普通の家庭犬としてなら申し分ないだろう。

(2001年9月9日)

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