TABIのガールフレンド
MIKA
ラブラブ♪の二頭
左がMIKA ♀
TABIの初恋 |
シベリアン・ハスキーを父に、アラスカン・マラミュートを母に生まれたMIKAは、バイアイ(片目が青、片目が茶)のたいへんな美犬だ。
生まれてから2年以上もブリーダーのもとにいて、一日のほとんどをクレートの中で過ごしていたという彼女は、知らない人間や犬になつかない。今の飼い主がなんとか彼女を社交的にしようと、犬の集まる公園に毎日連れて来るのだが、彼女はよその犬を寄せ付けない。うかつに寄ろうものなら、歯をむき出してうなり威嚇する。
とくにオス犬に対しては厳しく、相手がどんなに大きくてもマジでガブッと噛みつき「キャイイン!」と泣かせたりする。きれいな顔してけっこうキツイ、スケ番体質だ。
それなのにどういうわけか、TABIだけは接近を許す。
仲良く追いかけっこをしたり、枝のとりあいをしたり、川に入って遊ぶ。謎だ。
そればかりか、TABIがよその犬に手荒く扱われているのを見ると彼女は必ず割って入り
「ちょっと!アタシの舎弟に何すんのさ。痛い目にあいたくなかったら、とっとと消えちまいな!」
とばかりにその犬を攻撃し、退散させるのである。
「んまあ、女の子に守ってもらってTABIは幸せものねえ」
と腰抜けTABIはすっかり笑い者で、飼い主としては情けない限りだ。
まあでもMIKAの飼い主夫婦は、彼女がTABIとだけでも仲良く遊ぶ様子を見て大喜びで、た〜くさん写真を撮ってはホームページに載せている。二頭の姿がなんか微笑ましい。
MIKAはTABIより1つ年上だから、つい私はキャンディーズの歌「年下の男の子〜♪」を口ずさんでしまう。(トシがバレるぞ、トシが…)
TABI、大失恋 |
ああそれなのに…
あろうことかMIKAは、ある日自宅の庭にふらりと侵入してきた黒ラブと浮気をした末、なんと妊娠してしまったのである。あんなに男嫌いだったくせに、どうしたんだよ?!と、誰もがいぶかった。(彼女がまだ去勢してないのも驚きだった)
その黒ラブが名うてのプレイボーイだったか、MIKAが意外と発展家だったのか…
とにかく、しばらく見ないと思っていた彼女が腹ぼて姿で公園に登場した時は、皆「おお〜?!」と注目した。TABIの立場はどうなるんだ?
肝心のTABIは、彼女をよその犬にとられたというのに脳天気にもあいかわらずお気楽に「遊ぼう、遊ぼう」とはしゃぎまわるだけ。MIKAは素っ気無い。
「あっち行ってよ。もうオトコなんてこりごり!見てよ、このお腹…」
といった風情だ。
飼い主は、
「妊娠してしまったティーンエイジャーの娘を持つ親の気持ちがよくわかる」
と、しみじみ言っていた。
そんな彼女も、無事に6頭の子犬をお産した。子犬はみんな、全体が黒っぽいハスキーといったかんじだ。大きくなるとどんなになるのか?
お産から一ヶ月ほどして会ったとき、彼女はまるで別犬のようにやつれていた。
骨と皮にやせ、あんなに美しく銀色に輝いていた毛皮も枯草のようにパサパサ、ぱんぱんに張ったお乳だけが目立っていた。犬にとってもやはり出産・育児というのはたいへんなのだろう。体に対する負担が大きいので、お産のあと弱って死んでしまうメス犬の話はよく聞く。そういえばTABIの母犬も、ストレスで毛が抜けていたっけ。
それと反比例して、子犬たちは丸々とよく肥えてぬいぐるみのようにかわいらしく、里親も決まったようだ。新米ママMIKAも、早く子育てから解放されて元気な姿で公園に復活して欲しい。そしてまたTABIと遊んでね。
(2002年11月22日)
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