MIKEY
ビーグルミックス ♂ 3
狩猟犬の形見 |
MIKEYの母犬は、若い現役狩猟犬のビーグルだった。黒ラブと恋に落ちて5頭の子犬を産んだが、子犬たちがまだ生後3週間の時に、飼い主は彼女をハンティングに連れていった。そして、狩猟場でウサギと誤って飼い主に猟銃で撃たれ、即死してしまった。
幼い子犬たちを置いて、さぞ心残りだったろうに。飼い主も子犬の世話ができず途方に暮れてしまい、処分しようかと思っていた。それを聞いて、 ブルーティック・ビーグルCASEYの飼い主、Lindaが子犬たちを引き取ることにした。
その時すでに母犬が死んで3日たっており、子犬たちはその間飲まず食わずだった。5頭のうち1頭は餓死してしまったので、4頭が引き取られた。2頭はパパ似、1頭はママそっくり、もう1頭はちょうど中間といったコートカラーだったとか。
その日からLindaの養母生活が始まった。獣医から子犬用ミルクを手に入れ、朝も夜も2時間おきに哺乳瓶で子犬たちに飲ませた。
「睡眠不足で、ヘトヘトだったわよ」
とのことだが、だんだん3時間、4時間と間隔が開き、7週間を過ぎるころには獣医から固形物を食べさせるようにと指示された。
獣医の指示で、子供用シリアル(朝食用のコーンフレークなど)を床に敷いたテーブルクロスにてんこ盛りにし、子犬たちに食べさせた。みな夢中になって食べ、体中シリアルだらけで大騒ぎだったそうだ。
ママ似の子は、もとの飼い主が狩猟犬として育成するために引き取った。パパ似のうち1頭はLindaのすぐ近所の人に、中間カラーの子も知り合いのうちへ引き取られた。だが、パパ似1頭だけが残ってしまった。獣医を始めあちこちにビラを貼ったが、誰もこの子を欲しいという人があらわれなかった。
「じゃあ、うちの子にしようか」
とLindaの夫が言い、それ以来CASEYと一緒に仲良く暮らしている。初めはこの子を飼うことにそれほど乗り気ではなかった彼だが、今ではすっかり溺愛しているという。MIKEYも、「パパが一番好き!」といった様子だ。
なんちゃって黒ラブ |
ビーグルサイズの黒ラブ、といったかんじに育ったMIKEY。頭部はラブじゃないが、コートや尻尾、足先などがすっかりラブ。さぞや素晴らしいスイマーかと思いきや、全くのカナヅチなんだそうだ。水が嫌いで、湖でも足をつけるのがせいぜい。
また、ラブとビーグルという大食漢同士の血をしっかり受け継ぎ、とにかく食べるのが好き。そして、肥満傾向が高い。獣医からダイエットフードを買って食べさせているのに、いっこうに痩せない。運動量は充分なのに、だ。これは、近所に住む兄弟犬も同様だそうだ。
しかし、ラブ系らしくフレンドリー。お散歩で会うたび、TABIと一緒に森の中を駆け回って遊ぶ。CASEYも、この子が子犬の頃から兄貴分としてよく遊んでやってたそうで、今でも二頭仲良く遊んでいる。それにTABIが加わると、すっかり三兄弟といった感じでよく遊ぶ。
早くに母犬を失ったMIKEYだが、今ではすっかり幸せな犬性をおくっている。
(2004年6月19日)
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