去勢手術

 

paw4.gif (869 bytes)1日目(9月26日)

手術の朝。
寝ぼけまなこのTABIをつれ、朝露で濡れた芝を踏みながらお散歩。手術前にオシッコとウンチをすませることができて、良かった。

病院へは朝7時30分から8時までの間に連れて来るようにとのことだったので、散歩から戻ってすぐTABIパパと一緒に病院まで歩く。
病院では、顔なじみのスタッフに
「あら、また大きくなったわね」
と迎えられ、TABI大はしゃぎ。すでに何組かの猫と飼い主が、手術のため待合室で待機していた。

手術と麻酔の承諾書にサイン。
「午後1時ごろ、お電話でどんな様子かお知らせします。3時半過ぎたらいつでもむかえにいらしてください」
と言われ、スタッフにリードを渡す。何が待っているかも知らず、うれしそうにスタッフについていくTABIがちょっと不憫。

今日はTABIパパの夏の休暇の最終日。市内に出てランチをとる。ビュッフェ式で、パスタを選ぶとシェフが目の前で調理してくれるレストランだ。

きっかり午後1時に、こちらから病院に電話してみる。
「手術は無事済みましたよ。TABIちゃんはおとなしくお利口にしてましたよ」
と言われ、ホッと安心。ティータイムをゆっくり楽しんでから病院へ行くことにする。

午後3時半、病院へ。3日分の痛み止めをもらい、手術後のケアについて説明を受ける。

「TABIちゃんはもうずいぶん前に目が覚めて、おとなしく待っているのよ」
とのことだったが、スタッフに連れられて歩いてきたTABIはなんだか夢の中を歩いているみたいな顔つき。いつもの活発さは見えない。

いつもは車の後部シートに一飛びで乗りこむTABIだが、今日はパパが抱いて乗せてやる。玄関のステップは工事中で、鉄パイプが突き出ていて危ないので、やはり抱いて家の中に入れてやる。

リビングのお気に入りの毛布にそっとおろすと、家に帰って安心したのかコトリと眠りについた。腹部を見ると、下腹部がそられ、陰嚢の上部がきれいに縫合されているのが見えた。思ったより傷が小さい。3センチもないか。中国の宦官とか、イタリアのカストラートみたいのを想像していたが、とんでもない時代錯誤だった。

手術にそなえて前日の夕食以降エサも水もあげていないが、欲しい様子もないのでそのまま静かに寝かせておく。

paw4.gif (869 bytes)2日目(9月27日)

翌朝、フロントヤードに出してオシッコとウンチをさせる。まだなんとなくだるそうで、ボーっとしている。
痛み止めをあげなきゃいけないが、その前に何か食べさせないといけない。ドライフードを少しあげてみたが、そっぽを向く。大好物のチーズでさえ、においもかぎやしない。

しかも、傷をしきりになめる。こりゃいかん。エリザベスカラーをつけなきゃ。早速、TABIママ一人で病院へ。

事の次第を説明すると、スタッフのColleenは
「絶対に何か食べないと薬を飲ませなきゃいけないわけじゃないのよ。胃に何か入っていたほうが、薬で胃がやられるのを防げるからなのよ。ドライフードじゃなくて、ごはんと牛ひき肉を半々にして煮たものを少しだけやってみて。少しでも食べたら、薬をあげて大丈夫」
と教えてくれた。TABIの首輪を持っていったので、それに合わせてカラーを選んでくれた。

帰宅し玄関を開けると、TABIのクーン、クーンという悲しげな泣き声。クレートから出してやり、キッチンに連れていく。病院帰りに買った牛肉を煮てエサを作っている間、TABIは床に寝てじっとしている。

できあがったエサをパイレックスの計量カップで1/2カップ計り、そのまま冷ます。エサ皿にうつしてチーズを少しだけかけてやったら、パクパク食べた。

あとは薬。
スポイトを近づけると逃げるので、もう力ずくしかない。お座りさせてTABIの顔を上向きにし、鼻をこちょこちょ。鼻先をなめようと舌をペロッと出したすきに、スポイトを口の中に押し込む。うまくいった!薬のあと、TABIはクレートに自分から入って死んだようになって眠ってしまった。カラーはあとでつけてあげよう。

午後3時すぎ、目を覚ましたTABIは、目がキラキラしてすっかりもとの顔つき。クレートから出て大きくのびをし、いつものように身軽にコーヒーテーブルに乗ったり降りたりしている。こりゃいかん。回復したのはいいが、抜糸まではおとなしくさせなきゃいけない。

しかも、また傷をなめ出した。ついにカラーの登場だ。

プラスチック製のカラーは、留め具のしっかりしたのが3つもついていて、ちょっとやそっとでははずれないようになっている。根元のところに首輪をとおして犬の首に固定する。つけた直後は、初めて首輪をつけたときのように何とかはずそうともがいて、キツネつき状態。そのうち自分では無理と察したか
「これをとってくれ、たのむ!!」
とでも言いたげなせっぱつまった形相でTABIママに突進してくる。ママは、
「困ったわねえ、ママにもとれないわ」
というふりをして、留め具をきっちりはめてしまう。

そのうちあきらめるだろう、と放っておいたら、静かになった。ふと見ると、留め具の一つをはずすことに成功し、二つ目に挑戦中ではないか?!何たること。留め具は、TABIの噛みあとでズタズタ。これ以上被害が大きくならないよう、カラーをはずす。

TABIパパが帰宅、カラーを見せたら
「なんてこった」
と目を丸くして驚いた。レンタルのカラーだが、お買取りになってしまうかもしれない、と嘆く。

留め具を一つ奥にして、きつめに止めてみることにした。これだと首がきつくてかわいそうな気もするが、絶対に動かない。TABIはやはりもがきはじめたが、今度こそとれないとわかったか、あきらめてしまった。カラーをつけたまま水を飲んだりエサを食べたりして、慣れてきたようだ。
カラーをつけたまま牛皮をかじるTABI

傷をなめようとして、肢を上げたもののカラーが邪魔して届かず、固まっている状態のTABIを目撃。思わず吹き出してしまう。
かわいそうだけど、お前のためなのよ。

paw4.gif (869 bytes)3日目(9月28日)

もうすっかり元気になってしまったTABIだが、タマタマがやけに腫れている。手術前より大きい。このままでは、信楽焼きのタヌキになってしまうのではないか?!

たぬき

病院に電話してみる。
「大丈夫、その腫れは一週間もすればひいてくるから」
と言われ、安心。

遠くまでお散歩に行けないので、庭で運動させたり遊びを工夫してなんとかエネルギーを消耗させるのに一苦労。普段ならTABIママが花壇の花の手入れをしている間、バックヤードを好きなように走らせるのだが、傷がまだ癒えてない今、目の届かないところに行かれては不安だ。

paw4.gif (869 bytes)抜糸(10月12日)

抜糸のときは予約がいらないとのことなので、TABIパパが帰宅するのを待ってお散歩がてらTABIを病院へ連れて行く。

いつものように受け付けのスタッフに愛想をふりまくTABI。手術で痛い思いをして、病院がきらいになってしまったのでは…という杞憂は、ふっとんだ。診察台にあがるまでもなく、待合室で糸をちょきんと切ってもらう。

TABIが噛みつくしたカラーを、おそるおそる見せる。
「えっ、自分でとっちゃったの?!…う〜ん、これはやっぱりもう使い物にならないわねえ」
お買取りになってしまった。

実は手術前、オプションで術前検査$24というのがあり、どうするか聞かれた。TABIは丈夫だし、やらないでもいいだろう、と検査なしを選んだのだ。それで$24節約した気になっていたが、結局カラー($21.40)を買い取ることになり、出費はほぼ同じ結果になってしまった。トホホ。

(2001年1月10日)

去勢についてへ  マイクロチップへ

banner ホームへ健康犬バイブルトップへ

Copyright 2000 to Infinity, superpuppy.ca