持って来い

 

paw3.gif (869 bytes) 生まれながらの持って来い犬

「持って来い」(Fetch)とは、ボールなどを遠くに投げて犬に取りに行かせ、持ってこさせ、さらにそれを投げた人に渡すまでの一連の動作を意味する遊びである。

犬ならどの子も「持って来い」が好きかというと、どうもそうではないらしい。

レトリバー系は天然である。
ボールを投げてやると、追っかけていってくわえ、こちらに戻ってくる。これは彼らの遺伝子にきざまれた能力だから、教えるのに苦労はしないのが普通だ。TABIもレトリバーの血が流れているので、とくに教えたわけではないのにうちに来た生後7週間ですでに持って来いをして遊んでいた。

こういう犬は、持ってこさせるところまでは何も苦労しない。が、持ってきたものを素直に口から出させるのは教えないとできないことがある。なぜなら、犬にとって口の中の「獲物」は自分の宝物であり、簡単によそのやつになんかくれられない大事なものだからだ。

この時失敗しがちなのが、飼い主が犬の口の中にあるものを引っ張ってしまうことだ。引っ張られたら犬は余計意固地になって引っ張り返す。そうなると、もうそれは持って来いではなく、綱引きになってしまう。毎回こればかり繰り返していると、犬はいつまでたっても持って来いを覚えない。

解決策としては、Out のコマンドを教えることだ。犬が素直に口から出したら、ほめて小さく切ったチーズなどをあげる。獲物を放棄するかわりに好物を食べさせるという、いわばバーター取り引きである。

それを繰り返して、持ってくる→獲物を放す→ごほうびをもらう→またボールを投げてもらう…の一連のシークエンスを理解させることが大事である。ちゃんと理解できたら、食べ物を使わなくても持って来いで遊べるようになる。

この「綱引きをしない」という約束事は、とくに猟犬の訓練においては欠かせない。猟犬は、獲物を傷つけずにハンターのもとへ持って帰ることが必須である。だから、Soft mouth と呼ばれる、獲物に歯を立てずに運びハンターのもとで静かに放すことの大切さを厳しく教えられるのである。

また、持って来いを覚えた犬は、よく遊びたくなるとおもちゃやボールを飼い主のもとへ持ってきて、鼻でつんつんしたりして「遊ぼうよ、ね、遊ぼう」と誘う。この時、即座に応じたのでは飼い主が召使になってしまう。まず犬にコマンドを出して座らせ、それからボールを投げてやることが大事だ。

もう一つ、綱引き状態を避ける方法としては、シークエンスを逆から教えるやり方がある。初めからボールを投げない。ボールを口にくわえさせ、ほめる。すぐに口から出させ、ほめる。これを繰り返して、コマンド一つでボールを口から出すようにする。それから近距離にボールを投げ、とってこさせる。口から出させる。だんだん投げる距離を長くしていく。

paw3.gif (869 bytes) ノリが悪い犬

ボールやフリスビーが空を飛ぶのを見ても、「はあ?」という顔で立ち尽くす犬はいる。持って来いに興味ないのだ。べつに持って来いをしなくても他に遊びはいくらでもあるので、サッサとあきらめて別の遊びをしたらいい。

でもどーしても!ボールをとらせてみたいのよ!という人へ。
犬をじらしてみよう。ボールは絶対にさわらせない。地面にバウンドさせたり、壁打ちテニスをしたり、仲間とキャッチボールしたりして、動くボールを楽しそうに扱う。「なに、それ?」と犬が寄ってきても絶対にさわらせない。犬が懸命になってボールをつかまえようとし始めたら、ボールを投げてみよう。犬は「うひょ〜」と追っかけていくはず。…持って返ってくるとは限らないが。

あるいは、すでに持って来いができるボールキチガイ犬を借りてきて、一緒に遊ぶ。自分の犬は徹底無視する。ライバル意識の強い犬なら、「オレだって負けない!」とボールを追いかけ始める。これは何度も目撃しているので、効くときは効くと言える。

これだけやってもダメなら、やはり別のことして遊びましょう(笑)

paw3.gif (869 bytes) ウォーター・レトリーブ

水場での持って来いは、まず犬が泳げないとできない。犬が泳げるものと仮定して話をすすめる。

スプリンガースパニエルやレトリバー系は心配ないが、そこそこ泳げる程度の犬の場合、ボールを投げるのが遠すぎると「あ、やめとこ」と取りに行くのを拒否することがある。そうなると 、飼い主が海パンひとつになって泳いでとってこなきゃならない。

だから、最初は歩いてザブザブとりに行ける距離に投げて、犬に泳いでとってこさせ、たくさんほめる。それから距離を長くしていく。

もう一つ、TABIママが考案した方法はオモチャに縄をつけて投げることだ。水に浮くタイプのナイロン製の縄を用意し、オモチャ(クールコングなど水場で使えるものならなんでも)を先につける。そして、カウボーイのようにビュン!と縄を投げる。これなら、犬が根性なくてオモチャを取りに行かなくても、縄をたぐればまた遊べる。

手作りおもちゃ
黄色いロープの先についてる水色のがコング

私たちは夏場、ビーチでよその犬と一緒に遊んでいてたくさんオモチャをなくしてしまった。自分の犬が泳げると、よその犬も泳げるとうっかり思いこんでしまう。そして遠くにオモチャを投げすぎてしまい、流れにのってオモチャを見失ったことが何度も。ま、見失ったのが犬でなくて良かったけど。

かくれんぼへ

(2005年12月23日)

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