子犬幼稚園2回目
幼稚園も2回目となると、子犬たちもお互いに慣れて楽しそうに遊び始める。可愛い盛りの子犬たちが集まってじゃれ合うのは、本当にほほえましい光景だ。
まず、先週のおさらいから。飼い主と子犬がペアを組み、一組ずつ"Watch me/Sit/Down"の一連のコマンドを皆の前で披露する。
「では、そうですね、TABIちゃんからやってもらいましょう」
トレーナーからいきなり指名されて、ドキドキ。でも毎日練習したかいがあって、TABIは上手にやりとげ、トレーナーからご褒美のクッキーをもらう。
今日は、ペットフード会社から派遣された栄養士が特別講師として招かれ、「子犬の成長と栄養」についてのレクチャーがあった。子犬たちは、お遊びの時間。
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同時により多くの蛋白質・脂質・ビタミン・ミネラル類が要求される。よって、子犬に成犬用のエサを食べさせると、必要な栄養素が十分摂取できず、成長に悪影響を与える。
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この時期に最適なエサを十分与えることが大切。もしこの時期に十分な栄養を得られないと、その後いくら栄養を与えても受けたダメージを治すことはできない。逆に、この時期に十分な栄養が摂取できれば、生後6ヶ月以降になんらかの栄養失調があっても、影響は少なく、回復も早い。
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とくに大型犬の場合、子犬用のエサにカルシウム剤や脂肪分を加え、できるだけ大きく育てようとする飼い主がいるが、逆効果。骨格の成長が体重の増加に追いつけず、関節などに一生残る障害を与える結果を招きやすい。
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どれだけのカロリーが必要か、どれだけ食べさせるのが適当か、成長率とカロリーのチャートを参考に、子犬の犬種と月齢をあてはめてみる。
ここで飼い主それぞれにチャートが渡され,子犬の体重を測って必要カロリーを出し、正常に成長しているかどうかチェックすることに。TABIのようなハーフは、将来どちらの親に近くなるかによって成長曲線がちがってくるので、予測はむずかしい。
「でもこの子はどうやらボーダーコリー寄りだわねえ」
と、トレーナーも栄養士も同意し、ボーダーの成長曲線で調べてみることにした。どうやらTABIは理想的な成長ぶりで、ホッと安心。
ここで懸賞つきクイズの時間に。
「生後3ヶ月のグレートデンのメスがいるとします。この子の標準体重は何ポンドでしょうか?そして一日に必要なカロリーはいくらでしょうか?」
こういう計算の得意なTABIパパが即答し、賞品として大きなドッグクッキー缶をもらう。
TABIは大喜びで缶をペロペロ。(答え:38lb前後、1900kcal)
レクチャーが終わり、今日のコマンドを習う。
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犬を自分のところへ呼ぶコマンド。二人一組になって行う。
5メートルほどはなれ、一人はリードをつかんで子犬を引き寄せておく。もう一人が子犬に向かい名前を呼んで"Come"とコマンド。相手は即リードをはなす。子犬が走ってきたら、誉めてリードをつかむ。立場をかえてこれを繰り返す。
このコマンドで大事なのは、飼い主が楽しそうな声で呼ぶこと。子犬に
「なにかおもしろそうだぞ、行って見よう」
と思わせることがコツ。恐い声だと、
「行くとおこられそうだから、逃げよう」
と思わせてしまい、コマンドに反応しなくなってしまう。
また、犬をしかるときや、犬がきらいなことが待っているとき(お風呂・爪切り・注射など)には、決してこのコマンドを使ってはならない。「いやなこと」と「飼い主のところへ行く」ことが連結してしまうと、犬はこのコマンドに従わなくなる。
その後は質疑応答。
問題行動の対処法について、トレーナーが回答する。
一番多かったのが、
「玄関に入ってきたお客さまに飛びつくのをやめさせるには?」
子犬は体が小さいので,相手の顔を良く見ようとして飛びあがる。早いうちに止めさせないと、大人になってもクセになって治らないので、やっかい。が、飛びつく子犬はかわいいので、つい飼い主も許してしまいがち。
ここはきびしく、子犬が飛びあがろうとしたら、"Off"
とコマンドして前肢を床につけさせ、つづいて "Sit"
とコマンドしてきちんとお座りさせる。それからお客さまに子犬をなでてもらう。要は、
「飛びあがるとなでてもらえない。おとなしくお座りするとなでてもらえる」
ということを子犬の頭にすりこむこと。お客さまにも、犬を訓練中であることを伝え、協力してもらう。これはTABIも抱えている問題なので、TABIママもよく聞いて早速今日から実行しよう、と心に決める。
ここで時間。
生後4ヶ月を過ぎて、全ての予防接種が終わったあと、大きい子犬たちのための訓練クラスに入ることができる。またみんなで会えるといいね、と子犬たちやその飼い主、トレーナーと名残惜しく挨拶をかわし、幼稚園をあとにした。
(2000年11月26日)
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