お騒がせCOBY

coby

paw1.gif (869 bytes)裏庭の魔犬?

COBYは、アメリカ転勤時代に住んでいた家のご近所さんが飼っていた子である。

そのお宅とうちは、フェンスをへだててお互いの家のバックヤードが向き合うかたちになっていた。引っ越した当初、庭に出るたびにフェンスの向こうから「グルルル...」というこわ〜い犬のうなり声が聞こえるので、「どんな大型の魔犬がいるんだろうね?」といぶかっていた。フェンスにはドアがついていたが、前の住人が釘を打ちつけてずっと開かずの戸になっていたのである。

ある日、フェンスの板の隙間から犬の鼻が見えた。のぞいてみたら、黒い中型犬がいた。「えっ、この子が魔犬?!」

キッチンにいって犬用クッキーをつかみ、フェンスの板の隙間からあげてみた。犬はすごい勢いでクッキーをひったくり、庭のすみまで走って食べつくし、またフェンスに戻ってきた。クッキーをやると、また走っていって食べ、またフェンスに。こうやって「餌付け」したところ、その日からこわい犬のうなり声はパタリとしなくなった。

後日そのうちの奥さんと初めて会って話したところ、この子はやっと1歳になったばかり。舌が黒いところからおそらくチャウチャウのミックスで、長毛なのだが手入れが大変なのでいつも短く毛を刈っているらしい。体重も30ポンドほどで、TABIより小さい。が、あまり散歩したり外の世界を知らないため、よその人や犬に対して攻撃的で、家人以外になつかないのだという。電化製品の修理の人なんかが来るときは、犬を車庫に監禁したり注意しないと大変なんだそうだ。

「お宅が初めてよ、よその人でこの子に咬まれないのは」と、その奥さん。

paw1.gif (869 bytes)お気楽COBY

私達夫婦とTABIには、とても慣れていたCOBY。私が庭の手入れでバックヤードに出ると、必ず「ク〜ン、ク〜ン...」と甘え鳴きをしてフェンスに寄って来る。板の隙間からクッキーをあげると、幸せいっぱいの顔で食べていた。

TABIパパはよく、フェンスのドアを開けてCOBYをうちの庭に入れ、上の写真のようにプロレスで遊んでやった。ぜんぜん躾が入ってない子で、食べ物をやるとまるでワニのように飛びついてくる。それをTABIパパは、きちんとお座りして礼儀正しく食べ物を受け取るように一日で訓練した。裏の奥さんに見せたら、「信じられない!この子がこんなにいい子になるなんて!」と驚いていた。

しかしやっぱり野生児で、ある日TABIパパがCOBYをうちの庭で遊ばせていたところ、うっかり開いていたうちの庭の表ゲートから脱走し、あっという間に姿を消してしまったことがある。青くなったTABIパパが私のところに飛んできて、二人で近所を探しまくったが見つからない。疲れ果てて一旦うちへ戻り、ずっとお留守番していたTABIを連れて散歩に出た。そしてCOBYの家の前まで来たところ、なんとちゃっかり彼は車庫の前に寝そべっているではないか!

よその犬と遊んだ経験がなく、とても荒っぽいためTABIは「うっとおしいよ〜」といったかんじであまり親しまなかったが、当のCOBYは全く気にしていない様子。よくうちの庭に来て好きなだけ走っていた。もちろん、脱走事件に懲りてからは表通りに面したゲートはしっかり閉めることを忘れなかったが。

私達が引っ越す前日、フェンスの隙間にたくさんクッキーをはさんできた。今でも時々、「ク〜ン、ク〜ン...」という甘え鳴きを思い出す。

2013年6月12日)

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