生骨

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生牛骨を齧るTABI(生後4ヶ月)

paw3.gif (869 bytes) TABIと生骨

TABIには、生後8週間からおやつに生骨を食べさせてきた。それは次のような利点を考えてのことである。

@カルシウムの補給

A骨を噛むことが運動になり、歯とアゴの発達に良い影響を与え、また歯石がつくのを防ぐ。

B固いものを齧りたいという犬の自然な欲求を満足させる。

@については、賛否両論あるようだ。
骨にはもともと栄養価値がほとんどない、という説がある。(詳しくはこちら:英語)いや、野生の犬族にとって骨食がカルシウム補給源となっている、という説もある。(詳しくはこちら:英語)

TABIは、肉(魚)を中心とした手作りご飯を食べている。肉というのはカルシウムが少なく、肉食だけではカルシウム不足だ。だから、手作り食をしているうちではカルシウム剤を添加しているケースが多い。
しかし私は個人的にサプリメントを疑問視しており、なるべく自然な方法でカルシウムを摂らせたいと思っている。そこで、骨や殻ごとの卵を与えている。

TABIは、今のところカルシウム不足の問題は起きていない。
でも心配性な人は、私の真似をしない方がいいかもしれない。

Aは、確実に効果があると思っている。
TABIは、獣医が太鼓判を押す丈夫な歯と歯茎の持ち主だ。
TABIママの怠慢により(笑)、TABIの歯磨きはサボってばかりだが、TABIの歯はピカピカだ。

よくドライフードは固いので歯に良い、と言われるが、実際にはドライだけ食べてて歯が歯石だらけで息が臭い犬はごまんといる。
考えてみると、固いってったって、ドライフードなんて歯の丈夫な人なら噛んで噛めないことはない固さ。しかも、主原料が穀物なので唾液で濡れるとぐちゃあ〜となり、歯にくっつきやすい。これでホントに歯にいいかどうか?

Bは、犬飼なら誰でも認める事実だろう。
どんな犬も、骨を齧っている間は恍惚状態。何を言っても聞こえないくらい夢中だ。

TABIに初めて生牛骨を与えた時、生後8週間の子犬には無理かと思った。
肉屋さんが特別に切ってくれた大腿骨だが、子犬のTABIの体と同じくらい大きい。しかし、それを見たとたんTABIは齧りついて離さず、小さな乳歯でコリコリと良い音をさせながら3時間も夢中!
ついに、骨髄の部分は空洞になってしまったほどだ。

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肉のついた牛骨のぶつ切り 10分後には、肉も髄もきれいに
paw3.gif (869 bytes) 骨の与え方

骨は、必ず生で与える。
調理(煮たり焼いたり)した骨は固く、噛んだ時に割れて鋭い破片となり、犬の口の中を切ったり、飲みこむと消化器官を傷つけたりして大変危険である。
TABIも過去に2回ほど、うっかりとバーベキューの残りの骨を食べ、えらい目にあった。(TABI日記2001年10月1日参照)

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子羊の肋骨

何の骨がいいかは、犬によって違ってくると思う。
TABIには、主に牛の足の骨、子羊の肋骨、豚の足の骨を与えている。
子羊の肋骨は柔らかいので、4,5本をおやつがわりに食間に、または食後のデザートとしてあげると、3分足らずできれいにたいらげてしまう。
牛骨は大きいので、一週間くらいかかって大事に齧っている。
豚骨は、ひまそうにしてる時に1本投げてやると、喜んでしゃぶっている。

鶏の骨は小さくて、TABIの場合丸飲みしがちなのであげていない。
だが、小型犬の場合は牛では大きすぎるだろうし、鶏手羽を与えている人も多い。犬によって向いている骨とそうでないのがあるようだ。

どこで骨を手に入れるかだが、うちの場合はファーマーズ・マーケットの肉屋に予約してとっておいてもらっている。そこではエサ用の内臓肉も買っているので、たまにおまけで骨をくれる時もある。
まとめてたくさん買い、小分けにして冷凍保存している。与える時は、凍ったままエサ皿に入れてやると、半解凍したころを見計らって食べているようだ。
夏は、暑い中運動したあとなど、アイスキャンデーがわりにしゃぶっている。

たいていの肉屋さんでは、頼めば骨を分けてくれるはずだ。あるいは、骨付き肉を買って、肉を取り除いたあとの骨を与えることもできる。

たいていの犬は骨を好み、骨に対して思い入れがあるらしく宝物のように大事にくわえて静かな場所へ持っていき、しみじみと味わう。だから、骨噛み中は邪魔をしないよう、そっとしておく。
二頭以上いる場合は、骨をめぐって喧嘩にならないよう注意したほうがいい。

カーペットや畳だと、骨からしたたる血で汚れるので、クレートの中で齧らせるなど工夫が必要。うちは、血がしたたるうちはキッチンのタイルの上で齧らせている。

ちなみに、骨を食べさせるとウンチが白っぽくなり、固くなることがある。
これは、骨のカルシウム分が出てきたためで、心配ない。
また、骨の塊を飲みこんで喉につまらせないよう、骨が足で押さえられないくらい小さくなったら、とりあげてしまうことが大事だ。

いずれの場合も、飼い主の目が届かない場所で骨を与えてはいけない。

paw3.gif (869 bytes) 骨食の危険性

「骨なんか食べさせて、大丈夫なのか?」
と聞かれて驚いたことがある。だって、犬に骨って昔からつきものじゃないの?
犬なのに骨も齧れないなんて、そんなヤワでどうするんだ、とも思った。

しかし、世の中広いもので、どうも骨と相性がよくない犬も存在するらしい。
これについて検証しているサイト(英語)があるので、興味のある方はどうぞ。

また、こちら(英語)ではオオカミなど野生の犬族を飼育・研究している人々の骨食に対する率直な意見を載せている。これもとても参考になる。
こういった犬族は、当然市販のドッグフードを食べないので、鹿の死体を丸ごと、というような食事になる。この場合、毛も皮も骨も食べる。一緒に飲みこんだ毛皮がクッションになり、骨の破片で消化器官を傷つけないような役目をするのではないか、という意見が見られる。
また、ペット犬でも問題なく骨を齧っているのもいれば、具合が悪くなる犬もいて、個犬差があるようだ。

子犬のころから生骨に慣れている犬は、「かじる」という作業の大切さと楽しさを知っているので、あまり問題がないように思う。しかし、成犬になってから初めて生骨を与えられた犬、とくにドライフードを食べなれており噛まずに飲みこむクセがついている犬は、この「骨をかじる」という犬族独特の作業が上手にできない。だから、飼い主が手で骨の端をしっかり押さえ、犬が丸のみしないように注意してあげないといけないらしい。

これは驚くべきことだ。
「生骨をかじる」という作業は遺伝情報として伝えられるのではなく、むしろ学習により会得されるものであるのか。動物学者は誰も指摘していないようだが、研究してみるとおもしろいかもしれない。

また、生骨に慣れている犬でも、骨の種類によっては喉につかえて苦しむことがある。
オックステール(牛の尾)がとくに危ない。これを喉につまらせ、窒息しそうになった、あるいは窒息してしまった犬の話はよく聞く。TABIも一度吐き出してしまい、それ以来オックステールはあげていない。

いずれにせよ、骨と相性が悪い犬にまで無理矢理食べさせることはないと思う。
でも、TABIのように骨大好きで、食べても大丈夫な犬にとっては、骨はいいおやつでありオモチャにもなるのである。

(2001年11月5日)

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