あなたは犬向き?
「犬が好きだから」
「今流行っているあの犬種を手に入れて、みんなに自慢したい」
犬を飼う理由はいろいろ。
でも、自分が犬向きかどうか考えたことがあるだろうか?
あなたは「犬と暮らしたい」と思っても、犬のほうで「あんたみたいな飼い主じゃヤダな」と渋い顔される可能性が、あなた側にないと言えるだろうか?
犬を飼いたいんです… |
私がよく車の中で聞くラジオ番組で、ペットに関する質問に獣医が答えるものがある。
ある日のリスナーは、19歳の学生。
「子供のときからうちには犬がいたので、一人暮らしの今、寂しくて犬を飼いたい。
でも、学校とバイト2つのかけもちで時間がないし、何しろ学生だからお金の余裕もない。
こんな私にも飼える犬種は?」
それに対する答えは、明快だった。
「結論から言って、今のあなたに犬は無理です。
まず、犬は経済的な負担が大きいペットであること。エサ代、グルーミング代など必要最低限のものだけでも年間数百ドルかかり、さらに予防注射を含む獣医代が年間百ドル前後。
犬が病気がちだったら、さらなる負担。
学生のあなたは、それをまかないきれないでしょう?」
「それに犬は充分運動させたり遊んであげたりする時間が必要。それをしないと、問題行動を起こしてしまいますよ」
「現状で犬を飼ったら、あなたも犬も共に不幸になります。
将来、生活にゆとりができるまで待ちましょう。
それまでどうしても何か生き物と暮らしたいなら、お金も世話もかからないサボテンなどを育ててはどう?」
これくらいハッキリ言ってくれる獣医さんなら、信用できると思うが、いかが。
飼い主度チェック |
次の質問に答えてみよう。
全てに「はい」と自信を持って言えるようなら、犬向き度が高い。
「いいえ」の項目がある人は、犬を飼うことをもう一度よく考えてみるべきだ。
犬を飼うのに必要な経費(獣医代、エサ代など)をまかなう経済的な余裕がある。万一、飼った犬が病気がちで年間数万円から数十万円の費用がかかることになっても、捻出できる。
飼った犬が意外とお金も世話もかかることがわかると、簡単に捨ててしまう人が多い。それはあまりに残酷というもの。
これからの十数年、その犬と共に暮らし、最後を看取ってやるつもりがある。
引越し、結婚、離婚、赤ちゃんができた、などの生活の変化が起きたために犬を飼うのが難しくなり、捨ててしまう人もいる。
また、今は若くて元気な犬も、年をとって介護が必要になる時がくるかもしれない。その時自分もまた年をとり、大型犬などは抱いて獣医のもとへ連れて行くのも大変になるかもしれない。それでも見放さずについていてやれるだろうか?
何かの事情でどうしても飼えなくなったとしても、その子を引き取って世話してもらえるつてがある。
犬より自分が先に突然の病や事故で死んでしまうことだってある。自分にとってかわいい愛犬でも、親や兄弟にとって邪魔者だったら、後をお願いできないかもしれない。
どんなに忙しくても、犬を散歩させたり一緒に遊んだりする時間を毎日捻出できる。
独身の人は、同僚に誘われて会社帰りに飲みに行く、なんて気楽な生活とおサラバしなければならない。ポツンとお留守番してる犬は、トイレにも行かずあなたの帰りを待っているのだから。
飼おうとしている犬種について充分調べ、良い点・悪い点もよく理解した上で飼う予定だ。
映画に出てきた犬がかわいかったから、などと気楽な理由でポンと買ってしまい、「こんなはずでは」と後悔する人はあとを絶たない。少なくてもその犬種の特徴や遺伝的疾患などについてよく調べてから決めるべきだ。
家庭犬としての基本的な躾を施す用意がある。
なんの躾もされてない犬と暮らすのは、自分にとっても苦労だが、世間のみなさんにも迷惑をかける結果になりやすい。四六時中吠える、集金に来た人に噛みつく…「あそこの家は、恐い犬がいるからいやね」と言われて、肩身の狭い思いで暮らすのはつらい。
(2001年9月9日)
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