ワインを造ろう
わがやの味をつくる |
カナダのように娯楽の少ないツンドラで、昔から人々が趣味として楽しんできたことに自家製酒造りがある。どんな町にも、ワイン、ビール、果実酒など自家製酒のキットを販売する店があり、年間を通して様々な自家製酒を醸造して味わえる。
ストロベリー・ホワイト・メルロー
苺の風味がほんのり、鮮やかな赤い色がきれい
いまどき酒なんていくらでも安く買えるのに…と思う人は多いだろう。我が家でもそう思っていた。でも酒造りを趣味とする人は、意外と多い。舅が実はワイン造りが趣味で、それが嵩じてベースメントにワインセラーをこしらえたくらいだ。本格的にやるとなるといろいろ道具をそろえなければならないし、初期投資がバカにならない。
グリーンアップル・リースリング
爽やかな青リンゴの香りが夏のBBQパーティーにぴったり
だが日本にも「手前味噌」という言葉があるように、やはり我が家の味というものは市販品では味わえない。なにより果汁が発酵し香り豊かなワインになる様子を観察するのは、本当におもしろい。私たちも試しにやってみたら、ハマってしまった。
ここでは、ワインキットを使った簡単な自家製ワインの造り方を紹介する。
つくりかた |
ワインは本格的に葡萄を搾ることから始めて造ることもできるが、初心者はキットを使うほうが安全だと思う。ひととおりやってみると、ワイン造りのノウハウが理解できる。一箱のキットで、約30本のワインができる。
うちもキットを使って造った。キットの箱には、葡萄濃縮果汁・ワイン酵母など必要なものが入っている。他に用意するものとしては、蒸留水・発酵用の大型バケツ・カルボイ(ガラスの瓶)・温度計・グラビティメーター・サイフォン・ワイン瓶・コルク栓で、これらはキットを販売する店で購入できる。
今回のキットは、葡萄に苺果汁を加えてつくるワインクーラーとテーブルワインの中間のような、口あたりのサッパリしたワイン。我が家のようにあまり酒を飲まないうちでも、このくらいのワインならちょうどいい。
まずバケツに、キットに入っているベントナイト(粘土)を入れ水を加えてよく混ぜ、濃縮果汁を加える。さらに水を加えて全部で23リットルになるようにする。
ワイン酵母を加えたところ。フタをして、温度が摂氏18〜24度になるところに置く。一日たつとぶくぶくと発酵してくる。
一週間ほど待ち、サイフォンを使ってカルボイに移す。ガラスの口には、エアロックをつける。
エアロックには、半分くらい水を入れる。このエアロックを通してガスが抜けるので、始めの数日はボコボコと水が泡立つ様子が見られる。10日後に苺果汁のパックを加え、さらに一週間ほど待つ。
いよいよ瓶詰め。クリアなワインにするため、フィルターで濾す。フィルター装置は、キットを買った店で貸し出ししている。まずカルボイをキッチンのカウンターに乗せ…
サイフォンをフィルター(赤く見えるもの)にとりつける。さらに別のサイフォンをカラのカルボイに差込み、フィルター装置の電源を入れる。
ワインを濾す間に、瓶を洗浄・消毒する。上は、家庭用ワイン瓶洗浄装置。瓶をさかさにしてかぶせ、押すと洗浄液が噴水状に出て瓶の内部を洗浄するしくみ。洗った瓶は、下部の突起に差し込んで乾かす。全部やると、ワイン瓶でできたクリスマス・ツリーのように見える。
フィルターの済んだワインを、サイフォンを使って瓶に移す。コルク栓をする。できあがったワインは、冷暗所で立てたまま一週間ほど休ませる。
ラベルを貼り、口にシールをするとまるで市販品のようにプロっぽい!プレゼントにも最適。ラベルやシールは、キットを販売する店で購入できる。ここまでできたら、ベースメントなどの冷暗所で瓶を寝かせて保存。さあ、冷たく冷やして飲んでみよう!
(2004年1月1日)
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