クレートトレーニング

クレートクレート(ケージともいいます)は、犬に安心してやすむ場所を提供し、飼い主にとっては トイレのしつけのスピードアップを約束する、大変便利なものです。

犬の大きさによってサイズは小さいものから超特大まであり、材質は金属・木・プラスティックと さまざまです。TABIのクレートは、金属製でバラバラにして持ち運べるようになっています。通気性もよく、 掃除も簡単です。

paw2.gif (869 bytes)クレートに入れるなんて、残酷?

「檻に閉じ込めるなんて、ワンちゃんがかわいそう」
と思っている人も多いでしょう。確かに、人間から見るとクレートの中の犬は「閉じ込められている」ように見えますね。でもそれは、 人間の勝手な思いこみです。

paw犬の身になってみると

犬は、その祖先の狼と同じく「巣穴本能」があるそうです。

敵から身を守るために安全な寝ぐらを確保し、そこでやすみます。飼い犬にもその本能があり、「自分だけのスペース」で安心してやすむことを好みます。 その場所を提供するのが、クレートです。クレートは「檻」ではなく、犬にとって「私の部屋」「マイ・ホーム」なのです。 子犬のうちから正しくクレート・トレーニングされた犬にとって、クレートは「安心して眠れる場所」です。

pawクレートがあると

飼い主にとって

犬にとって

paw子犬のクレート・トレーニング

生後8〜16週間が、最適なトレーニング開始時期だと獣医さんから聞きました。 このくらいになると、子犬は自分だけの場所にこもりたがるようになるそうです。

クレートの大きさは、今の子犬の大きさに会わせるのではなく、成犬になったときの大きさを想定して、 充分ゆとりのあるものを購入します。今は大きすぎ、と見えても、ワンちゃんはすぐに大きく なります。あとで買い替えるのはお金の無駄です。(TABIパパ・ママはこれで失敗。今の クレートは2個目です)

成犬が、立って楽に方向転換できるゆとりが必要です。たいていのクレートメーカーは、 どの犬種がどのサイズに合うかをチェックできるチャートを用意しているので、参考にするといいと 思います。

はじめは、家族みんながよく見えるところ(リビングなど)に置きます。クレートはたいてい強化プラスティックの底板がついてきますが、古い毛布やタオルをしいてやるといいでしょう。

新聞紙は、そのニオイが刺激となってオシッコすることがあるので、しかないほうがいいと思います。 さらに、飼い主の着古しのセーターやTシャツなどを入れてやると、それをかぎながら安心して 寝てくれます。(お父さんのとか、夫のとか、男物のほうがいいみたい。犬って、臭いものが好きだし)

いきなり閉じこめると、二度と入ってくれなくなります。最初は、オモチャやクッキーなどをクレートに入れて、子犬に自分から入らせます。

私は、床の上に子犬用クッキーを並べ、クレートに導き、さらにクレートの奥まで並べるという 「ヘンゼルとグレーテル方式」を試みて、うまくいきました。(クレートのドアは開けたままです)こういう遊びを何回か繰り返すうちに、子犬はクレートに入ることにすっかり慣れ、オモチャを持ち 込んだりお昼寝したりするようになります。

そうなったら、子犬が中にいるときに少しドアを閉めます。あわてて外に出ようとするようなら、 ドアを全開。「いつでもドアは開くよ」ということがわかると、閉めても平気になります。閉まったドアに完全に慣れたら、ロックして様子を見ます。

ドアが閉まって、子犬がないたり騒いだりしたときは、子犬をまず静かにさせてから出してやります。ないてる最中に出すと、「騒げば出られる」と覚えてしまうからです。静かにさせるには、子犬に見えないようにして背後の壁を強くたたいたり、物を落としたりして大きな音を出し、びっくりさせます。一瞬なきやんだところで、静かにドアを開けます。

こうしてクレート内で過ごす時間を徐々に増やしていきます。一晩中クレートで眠れるようになったら、完全にクレートに慣れたといえるでしょう。 夜、どうしてもさみしくてなくようなら、クレートを飼い主のベッドのそばに持ってきてもいいでしょう。 実際、トイレのトレーニング中は、子犬がそばに寝ているほうがすぐに外に出してトイレをさせ られるので、飼い主にとって楽です。

子犬をクレートに入れ外出するときは、首輪とタグをはずすことを忘れずに。 タグがクレートの部品にひっかかって、もがいた子犬が窒息死することがあるそうです。

paw罰として閉じ込めたり、長時間入れたままにしない

クレートはあくまで「くつろぎの場所」であるべきです。

悪いことをしたからおしおきとしてクレートに放り込み、ロックしたら、子犬にとってそこはまさに 「刑務所の檻の中」になってしまいます。悪い印象がつくと、二度と自分から入ってくれません。 これでは、トレーニングがおじゃんです。

また、クレートに入れて外出するときも、子犬のうちは短時間にとどめるべきです。子犬は長時間オシッコをためておけないので、あまり長くクレートにいるとおもらししてしまいます。 一度クレート内でおもらしすると、ニオイが残るので二度、三度とするようになってしまいます。

paw9時ー5時の犬

家族全員が昼間家を空ける場合、出勤前に幼い子犬をクレートに入れて夜までそのままに しておくのは、やはり問題を残すと思います。 先にも書いたように、子犬は長時間トイレをがまんできないので、クレートの中でもらしてしまうからです。

私の知人は夫婦共働きですが、彼らの犬(黒ラブ)が子犬だったころ、パピーウォーカー(子犬のお守り)を頼んでいたそうです。

ウォーカーは、日中家に来て子犬をクレートから出し、トイレをさせます。エサと水を与え、散歩に 連れだし、子犬と充分遊んでからまたクレートにもどします。時間にして大体一時間くらいです。ウォーカーによっては、植物に水をあげたり、ほかにも猫など のペットがいるときはその世話もやってくれる場合があります。学生や定年退職して時間に余裕のある人などが、アルバイトでパピーウォーカーをひきうけて くれます。友人や、近所の犬好きな人に頼むのも、いい方法だと思います。

さらにその知人夫婦は、出勤前と帰宅後に、子犬を散歩に出したり、ボールで遊んだりして できるだけ子犬と過ごす時間をつくったそうです。犬が大きくなると、トイレも長時間我慢できるし、お留守番にも慣れるので、ウォーカーはいらなく なります。彼らは、
「クレートのおかげで安心して家をあとにできるし、犬のしつけが楽だった」
と言っていました。

まあ、クレートがなくても犬は飼えます。が、飼い主の都合で犬をケンネルに預けなければいけないときとか、犬が病気や怪我で入院するときなど、クレートに慣れていないと困るときというのがあります。そういう「いざという時」の ためにも、上手にトレーニングしてクレートに慣れさせてあげたいものです。

参考A SECURE DOG IS A HAPPIER DOG, USE A CRATE/Nicki Meyer Educational Effort Inc.

(2000年11月26日)

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