サイト管理者注 以下は、Ann Martin女史のご好意により翻訳・掲載許可をいただいたものです。 日本語訳はこのサイト管理者(TABIママ)によります。 無断転載・無断使用は固く禁じます。(2002年1月4日) The original article below was written by Ann Martin and first appeared in Natural Pet, March-April 1995 issue. Japanese translation done by the Webmaster with the original author's permission. SUPERPUPPY would like to thank Ann Martin for this contribution to the site. No reproduction or republication without written permission. |
Does Your Dog Food Bark?
A study of the pet food fallacy
by Ann Martin
「おたくのフードから犬の鳴き声が聞こえませんか?」
フードの正体にせまる
アン・マーティン著
著者 Ann Martin について |
アン・マーティン女史は、カナダのオンタリオ州ロンドン市在住。
数頭の犬・猫とともに暮らしている。彼女は、消費者の立場から過去十年余りカナダ・アメリカの市販のペットフードについて詳細な調査を行い、その成果を雑誌など各メディアで発表してきた。
ベストセラー「Food Pets Die For」「Protect Your Pet」の二冊を出版している。
「Food Pets Die For: Shocking Facts About Pet Food」は、1997年にNewSage Pressから出版されペットと暮らす人々に大変な反響を呼んだ。
愛犬が市販のフードを食べて病気になり、結果的に死んでしまった事件をきっかけに、マーティン女史のペットフードとその業界に関する研究が始った。(当時彼女はニューファンランドとセントバーナードを飼っており、ピュリーナのフードを食べさせていた。フードに過剰の亜鉛が含まれていたため、犬は嘔吐し、異常に水を飲みつづけたという)
本書では、きらびやかな広告の裏にあるダークな真実、「安全基準」というもののいいかげんさが暴露されている。
家で簡単にできる犬・猫の食餌のレシピつき。
「Protect Your Pet: More Shocking Facts」は、2001年5月にやはりNewSage Pressから出版。マーティン女史が一冊目で公表した事実を、さらに深く広く追求し、またガンなどペットに増えている病気や過度の予防注射がひきおこす問題などについても述べられている。出版社のサイトで、本の一部を読むことができる。
なおこの二冊は、出版元のNewSage Pressからオンラインで、また日本でも
amazon.co.jp を通し入手することができる。
本にはこの記事よりずっと詳しい情報が書かれており、たいへん勉強になる。
ドッグフード疑惑--"Does Your Dog Food Bark?" 日本語訳 |
蛋白質は生存に欠かせないものであり、私たちのかわいいペットが生命を維持するには良質の蛋白質が必要だ。
ペットフード業界は、市販のフードはペットにとって「バランスのとれた完全食」だと言って消費者をだましてきた。しかし実際には、私達はペットに食品産業の廃棄物--人間にも動物にも食用に適さないゴミ--を食べさせているのだ。
では、フードに含まれる蛋白質は何を材料にしているのか?品質は?
この先を読むとその真相がわかる。ショックを受けたくない人は、やめといた方が良い。
病変した肉、動物の轢死体、屠殺場の廃棄物、家畜の排泄物、殺処分された犬・猫、鳥の羽。これらは全て、市販のペットフードに「動物性蛋白質」として使用されている。そう、現在市販されているペットフードにこんなものが「動物性蛋白質」として入っているのだ。
乾燥ドッグフードによく使用される植物性蛋白は何からくるかというと、トウモロコシ粉、小麦カス、二級品小麦、大豆カス、籾殻、ピーナツのカスや殻(「食物繊維」としてごまかしている)である。
これらは栄養価値がほとんどなく、製紛工場のゴミ同然のものだ。油分や胚芽、フスマ、でんぷん質、グルテンが取り除かれているため、必須脂肪酸や脂溶性ビタミン、抗酸化物質が欠落している。
フードには、様々な原料が蛋白源として使われる。
家畜の死骸処分作業で出る、いわゆる4Dミート(死んだ、病気の、死にかけの、または障害を持った家畜の肉)。そのほとんどがすでに死んでいるか、原因不明の病気にかかりいろいろ治療薬を投与されたあげく、強力な薬品でもって殺処分された動物だ。
こうした死骸は引き取り業者に運ばれ、皮をはぎとられ(皮なめし工場へ売られる)脂肪や肉が除かれる。その肉は、炭で塗りたくられて(人間が食べないための処置)「食用不可」と明記された上で、ペットフードの材料として売られる。
死骸が業者に運ばれた時点で腐敗している場合は、処理工場へ運ばれる。車にひかれて死んだ野生動物も、大きすぎて道路脇へ埋められないようなのはやはりこの工場行きだ。
さらに、屠殺場から売り物にならないクズが工場へ。屠殺場へ向かう途中で死んだ家畜の死骸、病変した肉片、腐敗した血液、食用にならない毛・足・頭・乳腺・関節部など、あらゆる部分が処理加工されてペットフードの原料となる。
こうした肉塊が屠殺場から運び出される前には、人間の食用肉として使用されないように「変性」(薬品に浸す)させる。
カナダでは、変性に使用する薬品はBirkolene Bである。農務省動植物衛生検査部によると、この薬品の成分は未公開だそうだ。
(訳者注:Birkolene Bについては BIRCO Corporation
のサイトで詳しい内容を見ることができる。これによると、この薬品は発ガン性物質である)
アメリカでは、石炭酸、燃料油、灯油、シトロネラ油などさまざまな物質が使われる。
4Dミート、動物の轢死体、そして屠殺場からの廃棄物の他、ペットフード業界は否定しているもののペットの死骸も動物性蛋白の原料として使われる。
動物病院で安楽死した犬・猫や、不用ペット収容施設で致死処分となった犬・猫は、処理工場へ売られ、他の廃棄物とともに処理されてさらにペットフード工場へと売却される。
ケベック州にある小さな処理工場では、オンタリオ州から運ばれる犬・猫の死骸を毎週10トン処理していた。ケベック州にはこうした工場がたくさんあり、同州の農務省によると
「犬・猫の毛皮は取り除かない」
「死骸は、はらわた、骨、脂肪を摂氏115度で20分加熱する」
とのことだ。
大規模な研究所をかかえたアメリカのある大手ペットフード会社は、犬・猫の死骸をフードの原料にしていることが明るみに出たときシラをきった。
しかしアメリカのCVM(連邦食品医薬品局獣医情報センター)は、犬・猫の死骸が使われていることを承知しており、「CVMはこれまでとくにペットの死骸処理加工を禁止したことはない。しかし、ペットフードにその肉を使うことをよしとしているわけではない」という声明を発表している。
ミネソタ大学の論文「精製処理肉中のペントバルビタールの事実」は、次のように述べている。
小動物を安楽死させる際に使用される薬品であるペントバルビタールは「肉の処理過程で分解せず、そのまま残留する」。
アメリカはカナダ同様、ペットフード業界は事実上自己規制しているにすぎない。
AAFCO(米国飼料検査官協会)が、ペットフードを含む家畜の飼料についてガイドラインを設定しているのだ。
このガイドラインを採用し実施するかしないかは、各州の判断次第だ。さらにAAFCOは、原料となる動物の種類を制限していない。どんな動物でも、たとえ犬猫でさえ、原料として使えるということだ。
AAFCOの公式出版物である "Feed Ingredient Definitions"
(飼料の原料定義)は、家畜の飼料として使用できる原料について広汎なリストを載せている。
その例をあげると、「乾燥動物血液」「獣毛」「脱水生ゴミ」「牛の胎児」「乾燥家禽クズ(これは、鶏肉工場で出るクズ肉・鶏糞・床に落ちたゴミなどの寄せ集め)」「乾燥した反芻動物の排泄物」「乾燥した豚の排泄物」「加工済み各種動物廃棄物(これは鶏・反芻動物など人間以外のあらゆる動物の排泄物やクズを加工したもの)」などなど。
このガイドラインは家畜の飼料だけに関してのものかどうか確認したところ、ペットフードにも適用されるとの回答であった。
カナダでは、事実上ペットフード業界を取り締まるものは何もない。
「成分表示法」は商品に製造元とその住所・製品重量を明記することを義務づけているものの、犬や猫のエサとなるとそれ以上何の基準もない。
CVMA(カナダ獣医師協会)とPFAC(カナダペットフード協会)は非営利民間団体であり、フード会社が自社製品は基準を満たした原料を使用している、と言えばそれをそのまま信用しているのが現状だ。
カナダで販売されているペットフードの85%から90%がアメリカの大手フード会社の製品で、CVMAもPFACもそうしたフードの原材料に関しては何の規制も行っていない。
かわいそうなのは、粗悪な原料からできた栄養価値のないフードを食べたために病気で苦しむペットたちだ。
私たち飼い主は、ペットフード業界や一部の獣医に洗脳され、ペットを健康で長生きさせるには犬・猫用に作られたフードを食べさせなければならない、と信じこんできた。人間の食べた残りをあげるなんて、とんでもない、と。
だが、ガン、皮膚病、アレルギー、高血圧、腎臓・肝臓疾患、心臓病、さまざまな歯科疾患などで苦しむペットがごまんといる。ペットフード業界や獣医は、それは環境の悪化やストレスが原因だ、と言うだろう。市販のフードの質の悪さについては決して触れないのだ。
ペットフードが普及する以前は、ペットは人間と同じものを食べ、幸せに長生きし、ほとんどが老衰で死んでいたのである。
かわいいペットのために、自分の食事を作るときにちょっと工夫してペットの分も作ってあげよう。
肉や野菜、玄米やオートミールを少し余分に調理したり、パンをトーストしたのを使ってもいい。
これなら少なくとも自分のペットが食べるものに何が入っているかわかる。また獣医代は減るし、ペットも幸せで健康になれることうけあいだ。
ペットフード業界は、規制がないのをいいことに、ゴミ処理場行きか肥やしにしかならないようなゴミを利用して巨万の富を築いた。
私たちのペットは、毎日この毒性廃棄物を食べている。添加物やあやしげな保存料、化学薬品、余分な砂糖やナトリウム(フード1キロにつき小さじ3杯近くもの量)、さらにAAFCOの原材料定義によれば「ユリア樹脂」と呼ぶシロモノなどがてんこもりだ。
ペットフードのラベルに「どくろマーク」をつけるべきではないだろうか。
(2002年1月4日)
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