2009年
True friendship is like a rose: we don't realize its beauty until it fades.
Evelyn Loeb
芽生え
春の楽しみは、室内栽培で野菜の苗を育てること。小さな種から芽が出るのを見るのは、本当にうれしいものです。卵の空きパック(紙製)に卵の殻を並べ、室内植物用の土(または発芽用土)を入れ、キュウリの種を撒きました。すると数日でこんなにたくさん双葉が!外気温が高くなるまで待って、卵の殻ごと外の菜園に移植します。
早くおもてに出たいよ〜
芝生のシャワータイム
一年中乾燥しているこの地方では、水遣りが芝生のメンテナンスの中で最も重要。芝生には自動スプリンクラー装置が設置してあり、タイマーの設定どおりに自動的に潅水が行われるようになっています。スプリンクラーは普段は土の中に埋まっているので見えませんが、時間になると自動的にニョキニョキと姿をあらわし、水を撒き始めます。うちでは夏の間、毎朝六時と夕方六時の二回タイマーをプログラムしてました。この時間になると庭のあちこちからスプリンクラーが頭を出すので、お昼寝していたTABIがあわてて家の中に逃げてきたことも。
あっちでも
こっちでも
広い庭を一度に潅水するには水が足りないので、フロントとバックヤードを6つのフェーズに分け、フェーズ1から6まで順繰りに撒くようにプログラムができていました。一つのフェーズにつき十分間水を撒くとして、全部終わるまで一時間。これを朝晩、五月から九月まで続けるわけです。これはかなりの水の量で、夏の間の水道料金は、庭の広さにもよるけど大体他の時期に比べ三倍から四倍に跳ね上がります。さらに、冬が来る前にはスプリンクラーの凍結を防ぐため、パイプの内部に残った水を完全に取り除かなければいけません。これは専門の業者にやってもらいますが、そうした費用を含めると、芝生のメンテナンスにはかなりのお金がかかります。人工芝に変える人々が増えてきましたが、今の人工芝はとてもよくできてるし、確かにそれは賢い選択かもしれません。
フェーズ2が進行中
さよなら、ロッキー山脈の植物たち
突然の転勤命令を受け、私達はまたカナダへ戻ることに。私達夫婦も犬もアメリカ生活を充分エンジョイしていて、アメリカ人のお友達もたくさんできたので、とてもショックでした。もっとずっとアメリカにいたかったのに…。いつくしんで育てたガーデンの花やハーブたちともお別れ。 昨年、本来なら実をつける年でないのに桃の木があんなにたくさん実をつけ、今年の春には一つも花が咲かなかったのは、こういうことだったかと今更ながら感心しています。去年の桃の実は、私達への最後のご奉公だったのですね。
引越し準備で慌しく、さらにお友達が計画してくれた「お別れ会」が相次いで、あまり花の写真を撮っている時間がなかったけど、思い出の花たちをここに留めておきたいと思います。
コロラド州の州花、オダマキ
どんどんつるを伸ばしてロックガーデンをきれいに覆った、マネープラント
スクエアフットも三年目となると、こんなに豊作
ねぎ坊主 | ラディッシュ | クレマチス | りんご | りんどう | さやえんどう |
生垣の薔薇 | スイートアリッサム | キク | ラムズイヤーの花 | マーガレット | チューリップ |
旅の途中で
アメリカの主要高速道路には、旅行者が車を停めて休憩できる場所がたくさん設けられています。トイレと自動販売機だけの簡単なものから、食事や買い物が楽しめるショッピングセンターのような大規模なものまでいろいろで、清潔で安全。駐車場脇には色とりどりの植物が植えられ、きれいに手入れされています。満開の花を見ると、旅の疲れもなごみますね。
オハイオ州の休憩所前で
カナダの庭
アメリカで住んでいた家の庭の六分の一ほどしかない、狭い庭。犬と思い切り遊べるどころか、ガーデニングの楽しみも半減でガッカリ。まあ、狭いということはそれだけ手入れが楽ということですが。それに、意外な発見も。ある日雑草を整理していたら、勢いの強い雑草に混じってトマトの苗が生えているのを見つけました。こぼれ種で増えたのでしょう。陽が当たらない家の脇だったので、一番元気の良いのを引っこ抜いて、フロントの陽当たりの良い場所に移してあげました。
あまり期待せずにいたのですが、どんどん育っていつの間にか実が!ミニトマトだったんですね。生ゴミ堆肥をたくさんあげたら、その後も霜が降りるまで次から次へと花が咲き、たくさんの実がなりました。サラダに、ピザのトッピングにと大活躍。こちらのファーマーズ・マーケットでは、無農薬のミニトマトはほんの数個で6ドルもします。引越しで散財した後の家計を助けてくれた、ありがたいトマトでした。
さよならカナダの薔薇姉妹
フロントの花壇には、この家の前の持ち主だった婦人が植えた薔薇が大きく育っていました。しかし、狭い空間に十本もの薔薇が50センチ間隔でひしめきあっていました。どれもカナダのような極寒の冬に耐えられるよう改良された、カナディアン・ハーディー・ローズばかり。ブッシュとの交配なのでみな大きく成長するため、最低でも2メートルの間隔をあけなければいけないのに。お互いの枝がからみあい、ひしめきあった葉は病虫害にやられ、いかにもつらそうな様子は朝のラッシュ時の山手線を思いおこさせます。普通なら満開である時期なのに、つぼみ一つついてませんでした。
混みあった枝を切り落としてやると、ぼちぼちとつぼみがつきだし、夏の終わりには花を咲かせました。それでも、多すぎる薔薇人口を減らさなければ、いずれみな枯れてしまいます。そこで、思い切って十本全部を里子へ出すことに。「ハーディー・ローズを無料でお分けします」とネット上の告知板に出したら、ものすごい反響。みなスコップを持ってきて、あっという間に薔薇は掘り出され、それぞれ新居へと去っていきました。近所のカナダ人は「タダであげるなんてもったいない!証明書付きの薔薇なんだから、売れば儲かったのに」とあきれてましたが、庭の花を売って儲けるなんて発想は、私達夫婦にはありません。新しい持ち主が大事に育ててくれれば、それでいいと思ってます。
来年は新しい庭で、再び美しく咲いてくれるでしょうか。
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