2006年

Winter is an etching, spring a watercolor,
summer an oil painting and autumn a mosaic of them all.

Stanley Horowitz

冬
雪化粧の山脈

野うさぎの楽園

Wal-Martガーデンセンターで、ピーターラビットくんに遭遇。

うさぎうさぎ
ここにも、あそこにも!

店員さんの話では、このあたりにもともと生息している野生のウサギが数年前から店にあらわれるようになったとか。
床に散らばった葉ものを食べて掃除してくれるし、なんといっても子供を始めお客さんに好評なので、追い出さずに
そのままにしているそうです。夏の風物詩といったところでしょうか。人を怖れないし、とてもかわいいですよね。

うさぎ
こらこら、売り物に手をつけちゃダメよ

終わりなき土方作業

転任地アメリカでのガーデニングは、予想もしなかった困難な肉体労働から始まりました。

昨年の夏に新しい家に着いたとき、庭の状態は悲惨そのものでした。ちょっと前まで住んでいたカナダ人家族が、春から全く庭の手入れをせずほったらかしにしておいたためです。初春にこの家を見に来たときは、まだ冬の名残で木や草が眠った状態だったので、荒れ模様の予測がつきませんでした。でも、引っ越したときは真夏で、緑鮮やかな隣近所の庭に比べたらその惨状は明らか。まず、バックヤードもフロントも、芝生が枯れて黄色い砂漠状態。乾燥したこの地方では毎日のスプリンクラーによる水撒きが必須なのに、そのカナダ人は春から全く水を撒いていなかったのです。そして、荒れ放題にしたまま、彼らは平気でカナダに帰国してしまったのです。

枯れ芝
当初、芝はこんな状態
(2005年8月)

通常、家を明け渡す際には先住人がきちんと家の管理をし、引っ越してきた家族がすぐに生活を始められるような状態にしておくのが常識です。私たちも、昨年カナダで住んでいた家を売った際、買った人が引っ越してくるまで一月ほど間があったので、空き家を管理する専門の人を雇い、定期的に来て芝生を刈るなど庭の手入れや、空き巣狙いにあってないかの点検(家は空だけど、家を買った人との契約により冷蔵庫や洗濯機などの電化製品はそのままもとの家に置いてきたため)をしてもらいました。しかし、件のカナダ人は全くこうした配慮はしてませんでした。社会的には地位があり、二人の子供の親でもあるのに、ちょっと信じられないお粗末ぶりです。この近所のアメリカ人にも、このカナダ人家族は印象悪かったみたいです。

私たちは、早速着いた当日からスプリンクラーの自動設定をして朝晩毎日水を撒き始めました。日中も、渇き気味のときはホースで水を撒きました。近所の人々も同情してくれ、この地方での芝生の手入れ法を教えてくれたり、生協から肥料を買ってくれたり、とてもお世話になりました。当初はあまりのひどさに、全部芝生を張替えなければダメかと思いましたが(最低数千ドルの損失ですね、そうなると)、結局はフロントの一部を張り替えただけで、水を撒き続けること、養分のたっぷり入った土を入れること、芝生の種をまくことなどを徹底した結果、一年後には緑の芝生が回復しました。しかし、昨年の夏は毎週末、夫婦でこの土方作業でつぶれてしまい、疲れました。

緑
10ヵ月後にはこのように回復
(2006年6月)

その上、庭を手入れしなくなって久しかったためかホリネズミが住み着いてしまい、あちこちに直径20センチほどの土の山ができていました。彼らに根をかじられた木や潅木、球根類はすでに枯れ始め、このままでいくと庭中がホリネズミに占領されてしまいそう。これも同情した近所の人が害獣退治の専門家を教えてくれ、冬までにはホリネズミは全滅しました。

さて芝生が生き返ったところで、今後は荒れ放題の花壇を整理しなければなりません。どれくらい放っておいたのかわかりませんが、五層にもなるロックガーデンは草花とグランドカバー、雑草、芝生の生き残りが交じり合い無法地帯状態。伸び放題の雑草がガーデンを縁取る岩を押し上げ、うっかり足をかけようものなら雪崩のように落下する有様。とくに、Snow in Summerというグランドカバーの一種の繁殖はすさまじく、地下茎は宇宙の果てまで伸びるような勢いで、岩をとりのぞくとそこにはスパゲティー状にからみあった根が分厚い層をつくっていました。

悪魔
Snow in Summer

このうす緑の葉は美しいのですが、これを除去しないことには何を植えても駆逐されてしまいます。除草剤を撒けば簡単ですが、うちは犬がいるので毒性のある薬は使いたくありません。よって、徹底して掘り起こす、という原始的な方法をとりました。この草の生命力はゴキブリなみで、掘り起こし作業は春から夏まで続き、秋口になってもたまに新芽が出てきます。ちょっとでも根の一部が残ると、そこから芽が出るようです。これに対しては、環境にやさしい毒性のない除草剤で対処しました。

雑草取り
黙々と作業中のパパ

また、前の住人が植えたセージの一種があちこちで育ちすぎ、直系2メートルもの大きさに広がり、玄関までの通路を塞いでいました。しかもこの植物は蜂の大好物らしく、いつも数十匹ものいろいろな蜂がびっちりたかっています。通り過ぎるたびに蜂の大群がウワッと飛び立ち、刺されないかと毎回ヒヤヒヤ。薄紫の花はきれいなのですが、撤去することにしました。ガーデニングをする友人に、この植物をいらないかと聞いてみたところ「そんなハタ迷惑な花はご免」と言われてしまい(当然だけど)、残念ながらゴミに出すことになりました。植物を植える際、人々はそれが将来どれくらい大きくなるか考えず、やみくもに植えてしまうことがあります。買ってきたときは小さいから、寂しいのでたくさん植えてしまうんですね。そのため、このような結果に終わることも。庭に直植えするときは、こうしたことも考えないといけないな、と思いました。

迷惑草
在りし日の困ったちゃん

フロントのロックガーデンの整理が一段落し、やれやれと思ったのもつかの間。大雨の日に外で「バタバタ!」というものすごい音がしているのに気づき、窓から見てみると、雨どい(たてどい)のパイプの隙間から雨水が50センチほど噴水のように噴出しているではありませんか。その水はものすごい勢いで噴出しては落下し、マルチや植えたばかりの草花、土をまるで雪崩のように押し流し、それが3メートルほど下の芝生の上にたまっていきます。この地方では、夏に洪水になるほどの雷雨がしばしば降るのですが、そのたびにそんな様子。そこで、といのパイプの先が一体どうなっているのか、休日に夫と調べてみました。

すると、パイプはロックガーデンの一番下段から20センチほど先のところで完全に土に埋まり、パイプの中には土砂が硬くつまって完全に塞がっていました。これでは水が流れていかないわけです。私たちは、ロックガーデンの岩をとりのぞき、パイプを掘り出し、中の土砂を取り除いてきれいにし、先は土中に埋めずに小石を敷いた上に寝かせ、水が自然に流れて土に滲みこむようにしました。ガーデンの下段の岩は、パイプが沈まないように岩の下にブロックを敷いて高さを出しました。それから残りの岩をもどし、土をもどし、草花をもどし、マルチをもどし…と、丸一日がかりの作業でした。大変な肉体労働でしたが(翌日は二人で筋肉痛)、その後はおかげさまで、どんなに大雨が降っても大丈夫です。

パイプ
やっとシャバに出たパイプ

バックヤードには、前の住人が何年か前に直植え(バッキャロー!)したミントが大繁殖し、芝生を脅かしています。それに加え雑草と、よくわからないツル植物がからみあい、フロントとはまた違った趣の無法地帯。今年から来年にかけ、これらの駆逐と大整理が課題となるでしょう。やれやれ、私たち夫婦の土方作業は今後も終わりそうにありません。トホホ。

庭の新人たち

ロックガーデンを整理して、グランドカバーを植えました。まず、Hypericum(セント・ジョンズワート)。パッと明るく目を引く黄色い花をたくさんつけるハーブの一種で、栽培種のものは野生のに比べはびこらないので、庭に直植えしても安心。次に、アイスプラント。乾燥と日照りにとても強い植物で、ヒジキのようなぷっくりした細長い葉をつぶすと、たっぷり水が含まれているのがわかります。それから、Ajuga Bronze Beauty。普段は紫がかった緑で、秋には紅葉するとか。春には青い花を咲かせるそうで、今から楽しみです。 そして、Corsican Mint。コルシカ地方原産のハーブで、お酒(crème de menthe)の香りづけに昔から使われているとか。触ると甘いミントの香りが。他のミントのようにはびこらず、おとなしく咲いているだけのところが気に入ってます。 また、これら多年草が成長するまで空いている隙間にはスイートアリッサムとマリゴールドを植えました。みんな、早く大きくなってね。

Hypericum Ice Plant Bronze Beauty Corsican Mint スイートアリッサム マリゴールド
セント・ジョンズワート アイスプラント ブロンズビューティー ミント アリッサム マリーゴールド

薔薇姉妹

ドライブウェイの脇には枯れた潅木が並んでいたので、一日がかりでそれを掘り起こし、土を入れ替えました。そしてその後には、前から試したかったカーペット・ローズを植えました。カーペット・ローズは背の低いシュラブ・ローズで、病気に強く剪定もいらず、とても育てやすいとか。花が小さいのと(直径5センチくらい)香りがないのが玉にキズだけど、一度植え込むと春から秋まで息もつかずにせっせと花を咲かせ続けます。花がらをつまなくても、さっさと散ってくれるし、全く手のかからないお利口さん。いろいろな色がありますが、うちではこの五姉妹がにぎやかにフロントを彩っています。そして、姉妹たちの間には薄紫のラベンダーが良い香りを漂わせて、訪れるお客様を出迎えてくれます。フロントがすっかり明るくなり、好評です。

コーラル アップルブロッサム ピンク レッド イエロー ラベンダー
薔薇 薔薇 薔薇 薔薇 薔薇 ラベンダー

東京の花々

里帰り中に撮ったものです。

ハイカラな花々が民家の玄関先を彩っている昨今、私が子供のころによく見た花は消えてしまったかのよう。
でも、ときにはこんな懐かしい出会いが。秋晴れの一日、オシロイバナが咲いているのを発見。
よくお友達と種をとって遊んだものです。まだ下町情緒の残る、私の育った町ならではの風景。

オシロイバナ

川沿いを朝早く散歩すると、意外にも様々な野の花が咲いているのが見つかります。
紫式部の鮮やかな紫が、パッと目を引きました。
お花を習ったことのない父が、シロップの空き瓶を使って野の花だけで活けたもの。

野の花

子供のころよく遊んだ近所の公園では、園芸祭りを開催中。
アメリカに持って帰れるわけでもないのに、つい足を止めて見てしまいました。
お花って、きれいですものね。

園芸祭り

アリゾナの緑

南国アリゾナは、11月というのに日中は陽射しが強烈で暑く、
植生も独特で驚くことばかりでした。
山にニョキニョキ生えている長いのは、なんと巨大サボテン!
一本で数トンの重さだそう。

サボテン山
サボテンの山

こちらでは、サボテンを使ったガーデニングがよく見られます。

サボテン
てっぺんに植えてあるのは、アロエのようなサボテン

丸サボテン
まん丸サボテン。直径50センチくらい。

ホテルの中庭には、レモンの木がありレモンがたわわに実っていました。
木になったレモンを見るのは初めて。一ついただいて、家に帰ってからお料理に。

レモン
香りが良くて美味

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