レスキューグループ

paw2.gif (869 bytes)レスキューとは

レスキューグループというのはアメリカやカナダ、イギリスなどにはよく見かけるが、日本には同類のものがないらしい。いわゆる里親探しとは、似て非なるものだ。

レスキューグループは、良心的ブリーダーや愛犬家が他の犬収容施設に替わるものとして発足した、非営利の不用犬救済団体である。
犬種ごとにそれぞれ独立した活動をしている。また、例えばチワワ・レスキューなら純血チワワだけでなく、チワワのミックスも救済している。
犬種ごとなので、メンバーはそれぞれその犬種の特徴・良い点も悪い点も熟知し、健康面のトラブルに関しても知識があるところが頼もしい。

元の飼い主が何らかの事情で世話ができなくなり、レスキューに連れてこられた犬や、捨てられた犬などは、レスキューのボランティア・メンバーによりフォスター・ケアされる。これは、一定期間ボランティアに引き取られ、その犬の性格・適性などを審査し、新しい飼い主を見つける際のヒントにするためである。このフォスター期間は2週間から一ヶ月と様々だが、普通の収容施設なら致死処分にあうところを、犬に延命のチャンスを与えるという意義がある。

もちろん、ボランティア参加している獣医による健康面でのチェックや、去勢手術もこの期間に行われることが多い。

「血統書付きの純血犬を捨てる人なんて、いるわけない。いたとしても、そういう犬なら簡単に新しい飼い主が見つかるはず」
と思っている人は多いだろう。だが、残念ながらそれは大ハズレだ。
現在、カナダで廃棄される犬の少なくとも4頭に1頭が純血犬である。

レスキューにたどりつく犬の事情は様々。
飼い主の突然の不幸、離婚、転勤、失業など、止む終えない理由で泣く泣く手放す飼い主もいる。
また、牧羊犬や猟犬として飼ったが、どうもその素質がなく役に立たない、でも家庭犬としてならうまくやっていける性格だから新しい飼い主を探す、というケース。
もちろん、犬の特徴をよく知らずに飼ってしまい手を焼いてしまった、とか、躾をしなかったのでとんでもない問題犬に育ってしまいお手上げ、というケースも多い。

どのケースでも、犬のバックグランドによっては里親探しは難しい。
「中古」になってしまうと、血統の良さなどよりも、その犬の性格の良さや健康状態、服従が入っているかどうか(つまり里親が躾で苦労しないか)、新しい環境になじめるか、といったことが重要視されるからである。

paw2.gif (869 bytes)里親を探す

レスキュー団体の大きさや活動内容は、それこそ地域・団体によってまちまちだが、良心的レスキューは大体同様の救済活動をしている。
次々と連れてこられる犬を、右から左に欲しい人へ渡しているのでは、決して、ない。
犬の適性を審査するだけでなく、里親候補の適性も厳しく審査する。
候補にインタビューし、それこそ膨大な質問に答えてもらう。住環境、犬飼経験、子供や他のペットの有無…。ちょうど、良心的ブリーダーの質問と同じだ。
犬に関しても、健康上の問題や性格、躾がしやすいかどうか、前の飼い主のことなど、何もかも包み隠さず説明してくれる。あとで「聞いていなかった。こんなはずではなかった」とトラブルになるのを避けるためだ。

なぜこんなにうるさいかというと、レスキューの犬はもとの飼い主から捨てられ、既に傷ついているからである。これ以上、たらい回しにして犬につらい思いをさせたくないからである。
なんとなく犬がいたらなあ、という程度の里親候補が面接で足切りになるのは、そういう理由である。
また、当然のことながら里親となるのにかなりまとまったお金を払うことになる。純血・ミックスにかかわりなく、である。これは、フォスター期間中のエサ代・去勢費用などを含む。

レスキューの犬は、なぜか自分が第二の犬生のチャンスを与えられたことを知っているという。
そして、新しい環境になじもうと、健気に努力するらしい。そうやって今は幸せに暮らしているレスキュー犬は多い。
その影には、ボランティア・メンバーの大変な苦労と努力があることを、忘れてはならない。

(2001年10月8日)

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