8月

beach

8月は、夏の終わり。

暑さも峠を越え、朝晩ぐっと涼しく、むしろ寒さを感じるようになる。
海はぐんと波が高くなるので、犬を泳がせるのは川や湖が中心になる。

この月はまた、美味しいベリーの季節。
ブルーベリー、野苺、ラズベリー、ブラックベリー、グースベリー、カラント…
次から次と、自然は甘酸っぱい宝石を用意してくれる。

strawberries

年配の主婦たちは、旬のベリーを箱一杯買い込み、大鍋でジャムを作って瓶詰めし、冬に備える。パントリーにたくさん瓶詰めを保存し、きれいなリボンをつけてクリスマスの贈り物にしたり、朝食のテーブルで楽しむのである。

瓶づめ

スーパーで一年中手ごろな価格のジャムが手に入る今、そんな手間のかかることをする人は、若い世代には少ない。若い世代はまた、合成の香料や添加物の味に慣れているので、手作り無添加品の素朴な味を好まない傾向にある。

でも私は、そんな時代遅れの瓶詰めが好きで、毎年何かしら作る。
雪の降る寒い朝に、焼きたてのマフィンと紅茶、そしてベリーのジャムを開ける。
ほのかな甘い香りに、夏の日の思い出が蘇る。刈ったばかりの芝の青い匂い、塩からい海の水…
瓶詰めは、夏が冬に贈る季節の便りなのだ。

(2001年9月5日)

TABI大好き苺ジャム
ハーフパイント(250ml)瓶8個分

ジャム

苺8カップ、砂糖5カップ半、青リンゴ小5個、水2カップ、レモン1個(皮ごと使うので無農薬のもの)

レモンの皮を薄くはぎ、汁を絞りとっておく。残りは小さく切る。リンゴは小さく切り(皮や芯ごと)、鍋(アルミは酸化するのでダメ)に水とレモンを切ったものを入れ20分ほど煮る。それを裏ごしして2カップ計り、ヘタをとった苺、レモンの皮と汁とともに鍋に入れ、沸騰させる。砂糖を少しずつ加えては混ぜ、溶かす。

溶けたら、固まりぐあいをテストする。少量を小皿にとり、冷凍室へ。数分後出して、ジャム状にどろりとしていたら(市販のものよりやわらかめ)できあがり。レモンの皮をとり、アクをすくう。

青リンゴとレモンを使うことで、市販のペクチンを使わなくてもジャムができる。またリンゴの甘みが出るので、砂糖の量を最小限に控えることができる。

長期保存する場合は、瓶詰めにする。きれいに洗った瓶詰め用の耐熱ガラス瓶(Mason jar)を熱湯で10分間煮沸消毒し、熱々のジャムを瓶のふちから5ミリくらいの高さまで入れる。ゴムべらで瓶の内側をなぞって空気を抜き、熱湯であたためておいた専用のフタをする。瓶の底が直接火にあたらないよう、大鍋の底にラック(蒸し物用の台など)を敷き、そこへ瓶を並べ熱湯を注ぐ。瓶のフタが3〜5センチかぶるくらい、たっぷり熱湯を入れ、20分間沸騰させる。

火をとめて瓶を出し、清潔なタオルの上に並べ24時間静かに置いておく。うまく真空状態になっているかチェックする。真空になっていれば、冷める過程でフタがポン!と音をさせ、フタが反り返る。きれいな布巾で瓶をふき、 ラベルを貼って冷暗所で保存。

注意:必ず瓶詰め用の耐熱ガラス瓶を使うこと。でないと、煮沸中に瓶が爆発して危険。

(2004年8月9日加筆)

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