マイクロチップ

paw4.gif (869 bytes)マイクロチップとは?

ここでいうマイクロチップとは、ペットの個体識別番号を記憶させ、ペットの体に埋めこまれる米粒大の小片のことである。

専用のスキャナーでペットをスキャンすると、そのペットにつけられた番号が読み取れる。番号は、ペット情報登録会社に飼い主の情報(名前・住所・電話番号・かかりつけ獣医など)とともに登録され管理される。この会社は、必要なときに獣医などにその情報を提供するサービスを行っている。ペットが万が一迷子になった場合、この番号をもとに飼い主の連絡先をつきとめることができる。

またペットが盗まれたときには、もとの飼い主がそのペットが自分のものであると証明するのにチップが有効な手段となる。

ペットの身元を証明するものには、もっともよく使われているものに犬タグがある。しかし、首輪がとれてしまったらおしまいだ。

また、刺青もこれまで人気が高かった。しかし、月日とともに色がうすれるのでタッチアップが必要だったり、年をとると皮膚がたるんで読みにくくなることもあるという。

チップは1度入れると一生ものだ。すべり止めがついているので、体の中を動いてどこかにいってしまうこともない。飼い主の住所などが変更になったときは、いつでも無料で情報を変更できる。ありがたいことに、情報は世界共通なので、海外旅行先で迷子になっても大丈夫だ。

チップそのものは大変小さく、獣医のもとで予防注射と同じ要領で簡単に装着できる。痛みもない。

これまで、身元を証明するものがないためにたくさんの迷いペットが収容所で殺処分にあってきた。童謡の「犬のおまわりさん」ではないが、犬や猫は「おうちを聞いてもわからない、名前を聞いてもわからない」のだ。いなくなっても、きっと何千里も旅をして家に帰ってくる、なんて映画だけの話。もの言えぬ彼らのために、飼い主が気をつけてあげるべきではないか。

チップの登場でめでたく飼い主のもとへ帰ることができたラッキーなペットが、だんだん増えてきているという。

paw4.gif (869 bytes)TABIのチップ

チップ

TABIのチップは、カナダのAnitech の傘下にある Petnet に登録している。この会社は、チップ本体はアメリカのペット用チップの大手 Destron-Fearing のものを使用し、カナダ最大のペット登録データベースを管理している。動物病院や動物愛護協会などにスキャナーを販売しているのも、この会社だ。

ここに登録すると、飼い主はインターネット上で登録情報の変更ができる。また迷い犬を保護した収容施設は、やはりネット上で飼い主が誰かをつきとめることができる。

Petnet によると、毎月4,000頭のペットが新しく登録しているそうだ。(その後この会社は倒産、顧客はAVIDに引き継がれた。200512月追記)

チップを入れよう、と言い出したのはTABIママ。TABIが子犬時代、フェンスをくぐりぬけ脱走することがよくあったからだ。しかし、TABIパパは絶対反対。
「家出するようなアホは、帰ってこなくて結構。どこで野垂れ死にしようが、俺の知ったこっちゃないね」
と、きっぱり。

そんな血も涙もないTABIパパを1年がかりで説得し、チップ入れにこぎつけたのは、やはりTABIママの努力によるところが大きい。母の愛だ。感謝しなさい、TABI。

paw4.gif (869 bytes)マイクロチップは万能か?

獣医さんからあらかじめ注意されたことを一つ。
「チップを入れたらもう安心、ペットがいなくなっても100%戻ってくる」
と考える飼い主が多いが、それは過信のしすぎ。

まず、チップはスキャンされなければ何の意味もない。
カナダやアメリカでは、動物保護施設や動物病院にスキャナーが設置されているので、運び込まれた迷い犬はタグで照会できなければスキャナーにかけて身元を明らかにできる。

だが、対応の遅れている日本では、スキャナーを置いてあるところの方が少ないと聞く。犬が運良くスキャナー有りの施設に保護された場合のみ、あなたは犬と再会できるのだ。

獣医さんが話してくれた、チップが判定の決め手になるシナリオは、こうだ。

ある日獣医さんは、隣の州で白いジャーマンシェパード(白は珍しい)が飼い主の庭から忽然と消えたという情報を得る。数日後、白い犬を連れた男が犬の診察と予防注射のため来院する。成犬のシェパードだ。雑談しながら、それとなくどこからその犬を手に入れたのか男に聞いてみると、なんとなく釈然としない答え。

そこで獣医さんは、
「じゃちょっと奥の体重計で体重測ってきましょう。大型犬用のが奥にあるので」
とかなんとかうまく言って、試しに犬を検査室に連れていきスキャンすると、その犬の飼い主は隣の州の住民であることが判明。そこで即、関係各方面に連絡をとり……

とまあ、このようにして盗まれた犬が飼い主のもとへ無事戻る可能性はある。だが、それは犬が獣医のもとへ連れてこられたからであり、さらに獣医側で「何か変だ」というカンが働いたからだ。盗んだ男が獣医にもみせずひっそり飼っていたら永久にわからないし、獣医だって新患を片っ端から疑ってスキャンしている余裕もない。

チップや刺青で犬の連絡先を明らかにしておくのは、とても大事なことだ。だが、だからといって安心して犬をほったらかしにしておくのは危険。庭には柵を設ける、放浪癖のある犬は常に目の届くところにおく、発情期にメスを求めて脱走しがちなオスは去勢するか厳重に隔離する、などの常識的措置をまずとることが、飼い主の最低限の管理責任ではないだろうか。

manjironマイクロチップについて、またチップを入れたわんこの体験談などの情報は、まんじろんさんの犬についてのまじめな頁」がとても詳しい。興味のある人はクリック!

 

(2001年6月27日)

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