フライボールの星(笑)
Beginners レベル1
BGMは「巨人の星」ね

flyball_tabi

「一際輝くでっかい明星となれ!」
星一徹名言より

私たちが入ったフライボールのクラスは、Beginnersレベル1〜4)、IntermediateAdvanced、そして競技会出場チームに分かれている。

一応Beginnersクラスに入ったTABIだが、もうすでにアジリティで競技会レベルに達しており、クリッカー・トレーニングも入っているため、 ヘッドコーチのJaneの言葉を借りれば「半分はマスターしたも同然」とのこと。そこで、トレーニングも初めの一歩からでなく、かなりの段階をすっとばしている。

従って、以下に解説することは全くの初心者が始めるケースとは異なり、省略の多いトレーニングとなっている。フライボールが初めての方は、ちょっと読んでみて「参考にならないな」と思ったら、ブラウザの戻るボタンを押してお帰りください(笑)

また、他のスポーツもそうだがフライボールのトレーニング技術は日進月歩である。今最新と言われる方法も、来年には時代遅れとなってしまうことは珍しくない。ここで述べることは2003年現在の練習法であることをお断りしておく。 

準備するものは、オヤツ、クリッカー、オモチャ(ひっぱりっこができるよう、ロープ付きのものなど)、ターゲット、飲み水(ハンドラー用のミネラルウォーターも!練習ですごく汗をかきます)。フライボール用の首輪やハーネスがあるとなお良いが、なくても普通のフラット・カラーとリードで応用できる。

フライボール犬養成訓練は、バックワード・チェイニングという方式をとる。これは、クリッカー・トレーニングの第一人者 Karen Pryor が唱える訓練方法で、シークエンスを逆から教えることである。なぜこれが効果的か、については、彼女の著作 Don't Shoot The Dog! に詳しく書かれているので読んで勉強しましょう(笑)

フライボールのヒートを細分化すると、以下のようになる。

  1. 犬をスタートさせる
  2. スタートラインを越える
  3. 一番目のハードルをとぶ
  4. 二番目のハードルをとぶ
  5. 三番目のハードルをとぶ
  6. 四番目のハードルをとぶ
  7. ボックスまで走る
  8. ボックスを押してボールを出す
  9. ボールをくわえる
  10. 方向転換する
  11. 四番目のハードルをとぶ
  12. 三番目のハードルをとぶ
  13. 二番目のハードルをとぶ
  14. 一番目のハードルをとぶ
  15. フィニッシュラインを越える

このシークエンスを最後のステップ15からステップ1へと一つずつマスターしていく。 それが完成したら、シークエンスのステップ1からステップ15へを繰り返し、マスターできたら次のクラスIntermediateへ進級だ。

それぞれのステップはさらに細分化され、レベル1からレベル4まで全部で69のステップを確実にこなしていく。

  1. リコール
  2. ハードル・ワーク
  3. ターゲット・ワーク
  4. ボール・レトリーブ
paw4.gif (869 bytes)リコール

フライボールのトレーニングというと「まずボールを使った訓練から」と思われがちだが、実はボールが登場するのは訓練の中盤である。

なぜか?

それは、フライボールで一番大切なことは犬をハンドラー・フォーカスにすることだからである。ボールにばかり夢中になってハンドラーのもとへ戻ってこないようでは困る。ボール・クレイジーが必ずしも良いフライボール犬にならない、という理由はそこにある。飼い主よりボールが好き、という犬にしてしまってはフライボール犬への道は険しい。

そこで、子犬からフライボール犬に養成する場合や、ハンドラー・フォーカスの弱い犬を訓練する場合は、タグ・ゲームやチェイスから始める。犬の一番好きなオモチャを使い、ハンドラーを追っかけて遊ぶことを繰り返し、どこにいてもハンドラーのもとへ戻ってくること (リコール)を身につける。

また、すぐそばでガンガン走っている犬があちこちにいるフライボール・フィールドでは、犬同士の接触によるもめごとがおきやすい。いついかなるときでも、どんなにまわりにおもしろそうなものがあっても、常にハンドラーに注目していられるよう、Solid Stay など服従の応用訓練を行う。

TABIは強いハンドラー・フォーカスなので、これらの訓練は省略。

paw4.gif (869 bytes)ハードル・ワーク

フライボールのハードルは白一色で、幅24インチ。ジャンプの高さは、チームの一番小さい犬の肩の高さから4インチ引いた高さに設定する。

ハードル

ハードルが初めての犬は、リードつきでハードルを一つずつ飛ぶことから練習する。TABIはアジリティで経験済みなので、省略。

paw4.gif (869 bytes)ターゲット・ワーク

ターゲット・ワークは、のちにボックス・ワークをするための準備練習である。ボックスでのスイマーズ・ターンをマスターするのに欠かせない。

ターンには、今のところ旧式ターンとスイマーズ・ターンの2種類がある。現在競技会で記録を出しているチームは、みなスイマーズ・ターンをしている。

下図のように、旧式ターンでは犬はボックスの正面で止まり、後ろ足は床につけたまま、前足でボックスを押してボールをくわえ、逆方向へ向いてフィニッシュラインへと走る。この方法の弱点は、ボックスでの時間のロスと、犬の関節への負担である。

box_turn
旧式ターン

フライボールの俊足犬は、最高時速30マイル(約48キロ)に達する。このスピードで急停止し、ボックスに前足をつくことで、関節に多大な衝撃を与える。高速を走っていていきなり目の前に現れた壁に激突するようなものである。

また、一瞬にせよボックス前で完全に停止し、それから振り向いて逆方向へ走り出すので、速度を回復するのに時間がかかる。

そこで開発されたのが、スイマーズ・ターンである。このターンでは、犬はボックスの手前で止まらず体を横向きに回転させつつジャンプし、ボックスに両手・両足をつく。そうしながらボールをくわえ、逆方向へ回転し、フィニッシュラインへと走る。ちょうど水泳のターンのようなので、この名前がついた。

水泳のターンは、壁をキックすることで推進力をつける。フライボールのスイマーズ・ターンも同様で、ボックス地点でスピードを落とさずにすむ。 さらに、このターンは関節への衝撃が少ない。

ターゲット・ワークの初歩は、クリッカーを使って行う。TABIは経験済みなので、省略。

ここでTABIの場合ややこしかったのは、アジリティですでにターゲット・ワークをしていたのだが、アジリティではターゲットを鼻でタッチすることを学ぶ。しかし、フライボールではターゲットを前足でたたくことを学ばなければならない。 でも2、3回やるうちに覚えたようだ。

ハンドラーが片手にターゲットを持ち、親指にオヤツをかくす。犬が前足でターゲットをたたいたら、クリック、オヤツ。繰り返し、犬が前足2本でたたくように訓練する。

次に、ターゲットを壁に貼り付ける。犬が伸び上がってたたけるような高さに設定し、前足2本でたたくようにする。次に2回、3回と連続してたたくようにする。

paw4.gif (869 bytes)ボール・レトリーブ

ボール・レトリーブでやっとテニス・ボールの登場だ。

犬を待たせ、2メートルほど離れた床の上にボールを置く。ハンドラーは犬のもとへ戻り、ボールを犬にとりにいかせ、ハンドラーのもとへ戻し、オモチャと引き換えにボールを口から出させる。できたらクリック。

ここでのポイントは、ボールを投げて動くボールを犬に追わせるのではなく、床に置かれた静止したボールを犬にとりにいかせることである。

さらに、ボールを放り投げ(あまり高くせず、ボックスと同じくらいの高さ)犬にキャッチさせ、ハンドラーの手元に戻させる。ここではボールをジャンプキャッチさせるのではなく、確実にボールをくわえ、戻すことを教える。床にころがしてとらせてはならない。

(2003年2月22日)

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