やりなおしのウィーブ

paw4.gif (869 bytes)こんなはずでは

ウィーブは、アジリティ障害物の中で最も難しいと言われる。

TABIは比較的すぐにマスターしたので、安心していた。ところが!競技会のスタータークラスでは6本ウィーブなのだが、アドバンスに進むといきなり12本になる。それまで6本でしか練習してなかったTABIは、急にポップアウト(途中で抜け出てしまうこと)するようになった。

倍に増えただけなのに何故?

それは、人間にとってはウィーブ6本(または12本)が一つの障害物だが、犬から見ると一本一本のウィーブが一つずつの障害物なのだ。2、3本いつもより多いだけでも「あれ、なんか知らない障害物がある」と戸惑ってしまう。 (そうでない犬もいる、もちろん)

また、ウィーブには根元にスプリングがついていて動くものと、固定されているものがある。どちらか一方しか経験していない犬は、違うタイプのウィーブに出くわすとやはりポップアウトしてしまうことがある。犬にとっては「何これ?!見たことないよ」ということなのだろう。 (そうでない犬もいる、もちろん) 

どっちも同じウィーブなのに!と人間の考え方を犬に押し付けても、彼らには彼らのものの見方というものがある。それをきちんと理解した上で、うまくリードしてあげなければならない。

paw4.gif (869 bytes)初心にもどって

TABIの場合は基本はできているので、とりあえず12本ウィーブを使用し初めからやりなおしをすることにした。

今回は、より本物に近い自宅練習用のウィーブを作成した。手芸店でナイロンテープを買い、12個のハトメをつけた。それを庭に置き、ハトメの穴に園芸用の支柱を刺す。支柱にPVCパイプをかぶせ、なんちゃってウィーブの完成。

weave base
赤いテープに青いハトメ、緑のが支柱

ハトメの間隔だが、ウィーブの間隔はどの競技会もだいたい20インチ前後なので、20インチにした。PVCは建築資材の店で長いのを数本買い(安いPVCで充分)、家で4フィートの長さに切り12本用意した。そのままでも使えるが、穴から虫が入るといやなのでオレンジジュースのプラスチックのフタを集めておいたものを穴にかぶせ、ビニールテープで巻いて固定した。製作半日足らず、費用もごくわずかでできた。

weave

練習方法は、6本でやったときと全く同じ、Vメソッドである。上のようにウィーブをV字型に広げて、犬に真ん中をまっすぐ走らせる。TABIの場合は経験があるのでこのくらいの広げ方から始めたが、ウィーブ初体験の犬は地面にほとんどつくくらいに広げると良い。 支柱を地面に差す角度を変えることにより、V字の広さを加減する。

この時、エントリーとフィニッシュだけは絶対に間違わないようにする。間違ったエントリーをしたら、呼び戻してもう一度やり直しさせる。

まっすぐ走ってフィニッシュしたら、クリック、オヤツ。何度か繰り返してその日はお終い、ボールで遊んであげる。「ウィーブをやると、楽しいことが待っている」と犬に思わせることが大切。

V字を少しずつせまくしながら真ん中を走る練習を続け、最終的にはウィーブをまっすぐ立てて走らせる。こうすることで、犬はウィグル(体をくねらせてウィーブをよけること)や、足の運びを自然に身につけるのである。

まじめにやり直しをしたおかげで、TABIは12本ウィーブをきれいにこなせるようになった。

paw4.gif (869 bytes)練習のコツ

自宅でウィーブを練習する際に気をつけたいのは、ウィーブだけ練習してはダメ、という点だ。ウィーブの前後にある障害物へ続くきれいな流れを描けるように、つまりシークエンスの一つとしてのウィーブを犬に身につけてもらう。

そこで、V字が広いうちから以下の順で練習する。

これが確実にできるようになったら、V字を少しせまくして上記のことを繰り返す。

自宅でのシークエンスの練習は、庭の広さがないと難しいだろう。だがせめてウィーブの前か後にハードルを置くことくらいはやって欲しい。それをやらずウィーブだけ練習すると、やればやるほど犬は「ウィーブが済んだらお終い」のルーティーンを身につけてしまい、次の障害物へ向かうまでに足を止めてしまうようになる。

なお、ウィーブの練習は他にも、ワイヤーを使う方法などいろいろある。自分と自分の犬に合った方法でやるのが一番だ。また、ウィーブだけは一朝一夕には完成しない。数ヶ月から一年という長い目で見て、一歩一歩確実にしていくことが大事だ。

(2004年1月1日)

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