訓練のコツ

トレーニング期間中、トレーナーからいろいろ有意義なアドバイスをいただいた。全てをメモできなかったけれども、覚えているいくつかをあげてみよう。

早ければ早いほど良い

常識的に考えても、体重4kgの子犬と30kgの成犬では、御しやすいのは子犬のほうに決まっている。
また、子犬のうちは白紙に近い状態で悪い習慣があまり身についていない。この時期にしっかり躾をしておけば、後がずっと楽。

家庭での躾は、生後8週間ごろからでも充分間にあう。学校に通っての本格的なトレーニングを始めるのは、予防注射が済んだ生後4ヶ月から5ヶ月が最適な時期だと言われる。

成犬になってしまっても訓練は可能だが、時間とエネルギー、それに犬と飼い主双方の根気が必要なことは、肝に銘じておきたい。

いけないことをしたら、即、叱る

犬が悪いことをしたら、間髪を入れず叱ること。

犬は、何かをして何秒もたってから叱られても、何で叱られているのか理解できない。あなたが留守の間に壊した花瓶のことでおこられても、あなたが腹を立てているのは読み取れるが、その理由が全くわからないのだ。

訓練のときも、静かにしていなければいけないときに吠えたら、その場で即、黙らせる。

ちゃんとできたら、即、ほめる

叱るだけ叱って、ほめなかったら片手落ち。犬は、飼い主が喜ぶのを見るのが大好きなのだ。

食べてはいけないものを口に入れてしまった犬に、「出せ」と指示したら、犬が素直に口から離した。この時、犬は飼い主のほうをチラッと上目で見る。
「これでいいのかな?」
と確認しているのだ。
ここでほめてあげないと、自分がしたことが良いことだったのか悪いことだったのか、犬にはさっぱりわからない。だから、思いきりほめてあげよう。

頭をなでてはダメ

つい人間の子供に対するように、ほめるとき頭をなでてしまいがち。実はこれは、犬にとってはありがたくない。目の前に大きな手のひらがいきなり現れるのを、きらう犬がいる。

ほめるときは、犬の胸や横腹を軽くポンポンとたたいてやる。これで犬は、飼い主が満足していることを察知し、自信がつく。

役者になろう

しかめっ面で、恐い声で「よしよし」とほめられても、犬はあまりうれしくない。ほめるときは、赤ちゃんをあやすときのように、にっこり笑ってややハイピッチな声で「よ〜しよし、いい子だねえ」と、思いきりほめてあげよう。

表現がオーバーなほど良い。この点、カナダ人はとても上手だ。みんな役者の素質を持っている。

反対に、コマンドを与えるときや叱るときは、声を低く落ち着いたものに変える。どなる必要は、ない。だが、女性や子供のハイピッチな声では、犬からするとコマンドに聞こえない。「遊ぼうよ」と言っているように聞こえてしまうのだ。

もともと声の高い人はちょっと工夫がいるが、ここはひとつ愛犬のため「極道の妻」になったつもりでがんばっていただきたい。

自信をもって

「私にできるかしら…」
「リーダーになれと言われても…」

などと、おどおどビクビクしていては、犬はついて来ない。いばりちらす必要は全くないが、胸を張って自信を持って犬をリードしよう。

楽しくトレーニングしよう

犬に訓練は苦痛ではなく、楽しいものだと教えよう。

コマンドが上手にできたら、大好きなおもちゃで遊んであげたり、おなかなでなでをしてやったり、犬に良い印象を持たせる。

なかなか覚えてくれないときは、犬が疲れているのかもしれない。犬にとって何か新しいことを学ぶのは、たいへんなことなのだ。
「なんでお前はできないのよ」
とイライラする前に、サッと訓練を切り上げて一緒に外で遊んであげよう。お昼寝から覚めたら、頭がスッキリして訓練を再開できるかもしれない。

(2001年2月1日)

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