特別講師KARLIE

KARLIEは、トレーナーの一人Cynthiaの飼っているメスのロットワイラー(5歳)。訓練学校の特別講師として、毎回授業に参加している。

彼女の役目は、Cynthiaとともにコマンドの模範例を生徒たちの前で披露することだ。たいへん訓練のゆきとどいた犬で(プロのトレーナーの犬だから当たり前かもしれないが)、Cynthiaとの息がピッタリ。デモンストレーションは、見事としか言いようのない素晴らしさだ。

ロッティは、知能が高く訓練次第でマルチな能力を発揮する犬種として知られるが、一方、大型で支配的な性格が強いため、一歩間違うとたいへん危険な犬に育てあげてしまうことがあるという。そんなロッティを小柄なCynthiaが思いどおりに動かすには、よほど両者の信頼ときずなが強くなければならないだろう。

KARLIEとCynthiaは、飼い主と犬との理想的な関係とはかくあるべき、という見本でもある。

そんな優等生のKARLIEだが、授業が終わると、とても無邪気な遊び好きの犬に変身する。TABIがおもちゃにしている、ピーピー音がするハンバーガーが気に入って、TABIパパが投げてやると持って来いをして遊ぶ。TABIに対してもやさしく、一緒に遊んでくれる。TABIはそれまで近所の大型犬に攻撃されてばかりいたから、KARLIEが初めての「遊んでくれる大きいお姉さん」だ。

KARLIEの優秀さに感服したTABIママは、TABIに向かって
「お前もよく勉強して、ああいう犬になりなさい。いつまでもお調子ものじゃダメよ」
と言ってきかせた。

授業中にふと気づくと、TABIはマットの上で「フセ」の姿勢のままKARLIEのデモンストレーションをじ〜っと見ている。デモのあと、生徒たちは練習に入るわけだが、TABIは一発でコマンドを覚えてしまう。
「KARLIEのやったとおりにすればいいんでしょ。ぼく、できるよ」
とでも言いたげな顔だ。飼い主にとっては楽といえば楽だが、手応えがない気もする。

人間の幼児には、大人のすることを何でも真似したがる時期があると聞く。子犬にもそんな時期があるのかは知らないが、生後6ヶ月のTABIは、まさにそんな年頃だったのかもしれない。

真似をする見本となったのがKARLIEで、本当に良かったと思う。

(2001年2月1日)

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