ゲームズ・クラス
〜犬と楽しく遊ぼう〜

以前通っていたアジリティのクラスは、冬の休校中に市民センターでゲームズ・クラス( Games Class )を開催していた。これは服従を応用した様々なゲームを楽しむことで、飼い主と犬とのきずなを高めよう、という趣旨のクラスである。…というより、雪に埋もれる冬の間、集まって楽しく遊ぼう、というアイデアから始まったのが本当かもしれない。

クラスは2チームに分かれて得点を競い、勝ったチームの犬はクッキーがもらえる。あくまで遊びなので、勝敗にはあまりこだわらずリラックスして1時間がすぎる。遊びといっても、ゲームの内容は基本的服従がしっかり入っていないと難しく、日ごろのトレーニングの成果がここでハッキリ出る。 クリッカーやオヤツを使用してよい。

犬ならではのハプニングの続出で、ギャラリーは抱腹絶倒。みなさんも犬の集まりに、こんなゲームをお試しあれ。

  1. ドーナツ・リレー
  2. リコール競争
  3. Road Kill
  4. 障害物競走
  5. 新聞配達
  6. 椅子とり競争
  7. 芸達者は誰だ
  8. クッキーモンスター
  9. 沈黙リレー
paw2.gif (869 bytes)ドーナツ・リレー

スプーンにミニ・ドーナツを乗せ、犬とハンドラーが2チームに別れリレー競争する。

スタートラインに立ったら犬をヒール・ポジションにつかせ待機。リードはつけてもつけなくても良いが、犬は常にヒール・ポジションでなければならない。リードをつける場合は、リードの端をスプーンを持つ手と反対の手でつかむか、ハンドラーの首にかける。まっすぐ折り返し地点まで進み、ターンしてスタートラインに戻り、次のハンドラーにドーナツとスプーンを渡す。 速いチームの勝ち。

犬がヒール・ポジションからはなれたら、呼び戻してその地点からやり直し。リードは常にゆるんだ状態でなければならず、ピンと張ってしまったらその地点からやり直し。

ドーナツは落ちないよう親指で押さえてはならない。ドーナツを落としたら、その地点からやり直し。犬が食べてしまったら、ジャッジから新しいドーナツをもらいスタートラインからやり直し。犬がくわえてしまっても、"Out"のコマンドで出させてドーナツが無傷の場合 (唾液はかまわない)は、その地点からやり直しができる。

応用として、コース中にコーンを並べ、ジグザグに進むやり方もある。これは難しい! カナダの犬はたいていドーナツが大好物なので、甘い香りの誘惑に負けてなかなかコースどおりに走ってくれない。とくにラブ系は、目がドーナツになってしまう。でも、そこがこのゲームのおもしろいところ。

paw2.gif (869 bytes)リコール競争

2チームに別れ、一組ずつ競う。スタートラインで犬を待たせ( Sit Down どちらでも良い)、ハンドラーは反対側の端まで歩く。ジャッジの合図で"Come"とリコール。真っ先にハンドラーのもとへ到着した犬が得点をもらえる。得点の多いチームが勝ち。

犬がすっ飛んでいきたくなるような、楽しげな様子を出すことがコツで、ハンドラーの腕の見せ所。

paw2.gif (869 bytes)Road Kill

Road Kill とは、車にひかれた動物の死体のこと。2チームに分かれて一組ずつ得点を競う。スタートラインで犬を待たせる。ハンドラーは、反対側まで歩く。犬を呼び、ハンドラーのもとへ走らせる。ジャッジの合図があったら"Down"とコマンド。速くコマンドに従った犬が得点。コマンドを無視してハンドラーのもとへ来てしまった犬は、失格。得点数の多いチームが勝ち。

これは、コースを高速道路に見立てている。ジャッジの合図は、「車が来たよ!」という合図である。"Down"のコマンドで伏せをしない犬は、車にひかれてお陀仏、というわけ。日ごろからこの練習をしておくと、本当に車にひかれそうになったときに役に立つ。

paw2.gif (869 bytes)障害物競走

リコールの応用。基本はリコールと同じだが、コースの途中にオモチャ/ボウルに入れたドッグフード/テニスボール/骨ガムなど、犬を誘惑する品物を並べておく。誘惑に負けず、先にハンドラーのもとへ戻った犬が勝ち。

途中で犬が立ち止まっても、ニオイをかぐだけならかまわない。オモチャをくわえてしまったり、フードをつまみ食いしてしまったら失格。

このゲームでの犬の様子を観察することで、その子のモチベーションがなんであるかがわかる。まっすぐハンドラーのもとへ走る子は、ハンドラーにほめてもらうことが最大のご褒美。食べ物に誘惑される子は、オヤツを使ったトレーニングが最も効果がある。オモチャやボールに行く子は、タグ・ゲームで遊びながらのトレーニングが向いている。

paw2.gif (869 bytes)新聞配達

2チームに分かれて競争。新聞を筒状に丸めてヒモなどで止め、犬がくわえやすくしておく。スタートラインで犬を待たせ、ジャッジは犬から3メートルくらいはなれたところに新聞をそれぞれ置く。ジャッジの合図で、ハンドラーは犬に新聞をとりに行かせる。速く戻った犬が得点する。

日ごろからうちで新聞を持ってくるお仕事をしている犬は、これが得意。

paw2.gif (869 bytes)椅子とり競争

人数から一つひいた数の椅子を並べる。そのまわりを、ハンドラーとリードつきの犬が列になり一斉に歩く。ジャッジからは「速く」「遅く」「ターン」など、次々に要求が飛ぶのでそれをこなしながら歩く。笛が鳴ったら止まり、ジャッジの指示( "Sit" あるいは "Down" )に従って犬にコマンドを与え、犬が従ったらすかさず椅子に座る。

犬が動いたら、犬のもとに戻ってコマンドをやり直し。その間に他の人に椅子をうばわれることも。負けた組は退場し、最後の椅子をとった組の勝ち。

このゲームは、ハンドラーがお尻の大きいオバサンであるとたいへん有利。

paw2.gif (869 bytes)芸達者は誰だ

犬芸を競い合う。トランプ大のカードに、「お手」など芸の名前を書いて重ねておく。両チームのキャプテンがそれぞれカードをひき、チーム全員でその芸を順に披露する。全員ができたら得点。

やったことのない芸の場合、各チーム3分間練習の時間が与えられる。このゲームをやると、みんな意外と芸達者であることがよくわかる。

paw2.gif (869 bytes)クッキーモンスター

クッキー投げ食い競争。2チームともラインにそって犬を横一直線に並べ、一斉に始める。ハンドラーは犬に向かい合い、一歩下がる。その位置から犬にクッキーを投げる。犬がぱくっとくわえたら、予選通過。また一歩下がる。クッキーを投げる。くわえそこなった犬は、退場。このようにして、最後に誰が残るか競争する。

犬の足は、ラインから出てはならない。確実な"Stay"ができることが大切。床に犬のヨダレの池ができるが、これは失格の対象にはならない。

ハンドラーの投げ方の上手さ、犬の食い意地の強さが勝敗を決める。ラブ系大得意のゲーム。

paw2.gif (869 bytes)沈黙リレー

音声によるコマンドを一切使わず、ハンドサインと目だけで犬を動かすリレー競争。

ハンドラーは、スタートラインで犬をヒール・ポジションにつかせる。ジャッジの合図で、リードを持って歩き始める。コース中に二つの停止地点がある。一つ目で"Sit"をさせ、すぐ歩行続行。二つ目で"Down"をさせ、すぐ歩行続行。折り返し、スタートラインへ戻る。

声を出したら減点。歩行中、犬は常にハンドラーに注目していないとできないリレーだ。ハンドサインを知らない犬の場合、それこそテレパシーを使うしかないかも?!

 

paw2.gif (869 bytes)他にも、犬を駒がわりに動かす「犬チェス」など、おもしろいゲームがたくさんあります。みなさんも工夫して、楽しく服従で遊びましょう。

(2003年9月24日)

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