犬を贈る

paw2.gif (869 bytes)サンタの贈り物

クリスマスの朝。

パジャマ姿の子供たちが、リビングに入ってくる。
暖炉のそばには、大きなクリスマスツリー。その下には、色とりどりのプレゼントの包みがたくさん。
そのうちの一つが、何やらもぞもぞ動いている。
子供がフタを開けると、中には本物の子犬。
「やったー、子犬だ!サンタさん、ありがとう」
喜ぶ子供たち。ドアの隙間からそっと見守り、ニッコリするパパとママ。

こんなシーンは、映画やCMでよく目にする。

一見微笑ましい光景だが、その裏には、
「旦那、おたくの坊ちゃんに子犬はどうです?喜びますぜ、いっひっひ…」
という商魂が隠れている。
そして、そんなのにコロリとだまされる人間のおかげで、たくさんの罪もない子犬が犠牲になっているのだ。

paw2.gif (869 bytes)いらなくなったらゴミ箱行き

毎年、早春の不用犬収容所は生後数ヶ月の子犬であふれかえるという。
クリスマスに「サンタ」がくれた子犬がイタズラ盛りとなり、手におえなくなった親どもが子犬を次から次と捨てにくるからだ。

犬はゲームボーイではない。
飽きたらスイッチを切っておしまい、というわけにはいかない。
毎日エサをやり、散歩に出し、病気になったら獣医に見せ……赤ん坊と同じくらい世話が焼ける。
子供のオモチャとしては、手に余るシロモノだ。
そんなことも考えず、クリスマスに子供に子犬を買い与える親は、あまりに情けない。

そして、簡単に犬を捨ててくる。
「廃棄料を払ったんだから、文句ないだろう」
と言うかもしれない。(カナダでは、犬を引きとってもらうのにも手数料がかかる)

でも、それが子供に何を教えるか、考えたことがあるのだろうか?

「命なんて、安い」ということだ。
「命なんて、いくらでもかわりがある」ということだ。

そんなことを子供に教えるインチキ・サンタクロースなんか、犬の敵だ。

(2001年9月9日)

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