9月

apples

9月は、リンゴの実るとき。

ある日、犬の散歩から帰った夫はふところに一杯真っ赤なリンゴを抱えていた。当時子犬だったうちの犬も、口に一つくわえて尻尾を振っている。

散歩道で大きなリンゴの木を見つけたのだと言う。
野生のそのリンゴは、殺虫剤をまかないので虫くいが多く、肥料も当然与えられてないので小さい。が、艶々とした皮にナイフを入れると、何ともいえない爽やかな香りがキッチンに立ちこめる。
私の側では、子犬がおこぼれを分けてもらえるかと目をキラキラさせ辛抱強くお座りして待っている。

そのリンゴでパイを焼いてみた。小さなパイしかできなかったが、甘酸っぱく味わいがあり美味しかった。

次回はもっととってこよう、と、籠を持って夫婦と子犬とで出かけた。
すると、初老の男性がハシゴに乗ってリンゴをもいでいた。う〜ん、上には上がいると思った。
「カミさんがこのリンゴでパイを焼いたら、今まで食べたことないくらいうまかったんだよ」
と彼は言った。毎年、このリンゴが実るのを楽しみにしてるんだそうだ。

ハシゴまで気がつかなかった私たちは、夫が高い枝に飛びついて実を落とし、子犬がそれをくわえて走り、私が籠で受けとめるというリレー方式でリンゴを集めた。

誰が植えたのか、あるいは自然に芽が出たのかはわからない。だが、このリンゴの木は、毎年たくさんのファンに赤い贈り物を与えてくれる。

(2001年11月11日)

TABI大好きアップル・チーズパイ

パイ

グラハムクラッカー約10枚、無塩バター大さじ1、メープルシロップ大さじ1、クリームチーズ250グラム、コンデンスミルク1缶、レモン半個、リンゴ小数個、あんずジャム1/2カップ

クラッカーはフードプロセッサーにかけて粉にし、溶かしバターとシロップを加えてパイ皿の底と側面に敷き詰める。華氏350度のオーブンで色がつく程度(数分)焼き、冷ましておく。リンゴは皮のまま薄く切り、濃い目の塩水にくぐらせ、厚手の鍋に並べてフタをし弱火で蒸し煮する。チーズ、ミルク、レモン汁をフードプロセッサーにかけ、パイ皿にあける。リンゴをチーズフィリングの上に並べ、小鍋であたためたあんずジャムを全体にかけ、冷蔵庫で冷やし固める。

(2005年12月21日加筆)

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